検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:87,925 hit

26 ページ26

次の日、Aはまだ寝ていたいと叫ぶ体を無理やり起こして、いつもよりも早く朝餉の支度にとりかかっていた。


少し遠くから足音が聞こえてきて振り返ると、眠そうに歩く大好きな義勇の姿が見えた。ぴょこんと跳ねた髪の毛すら愛おしくて胸が苦しくなる。


「義勇さん、おはようございます!」


「なんだ、今朝は早いな。」


「義勇さんと早くお出かけしたくって。」


「随分と嬉しいことを言ってくれるな。」


「ふふ、本心です。」


いつもの通りに朝餉を終え、Aはすぐに鏡の前に立った。一人であれやこれやと頭を悩ませていると、義勇が部屋の外からちらちらとこちらを覗いているのに気付く。どうやら既に身支度を済ませたらしい。


「どうした。」


「あっ義勇さん、あの…これ、どうですかね…?」


以前一目惚れして購入したものの、ずっとしまい込んでいた着物を纏ってみたところだった。慣れない可愛らしさの花柄の着物と、久々に紅を乗せた自分の姿は何だか奇妙に思える。


「…っ!」


「義勇さんそれはどういう…」


「…美しすぎる。」


そう一言だけ聞こえたかと思えば、義勇の左手にぐっと右手を繋がれる。小さな声でボソッと呟く言葉ほど義勇の本音であるということをAはよく知っていた。


「お前の美しい姿をあまり表に出したくはないが。昨晩からの約束だ、早速行くぞ。」


Aは義勇に手を引かれるがまま家を後にした。

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 水柱   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

仮屋瀬みらい(プロフ) - 凪子さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!これからも読者様に大切にしていただける物語を書けるように頑張ります! (2021年8月13日 23時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさんさん» 感想お寄せいただきまして、ありがとうございます!これからも頑張ります ^ ^ (2021年8月13日 23時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 莉子さん» 莉子さん!このお話を大切にしてくださってありがとうございました!また新しく義勇さんのお話書きたいなと思っているので暇つぶしにでもお読みいただけたら嬉しいです! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 伊達巻さん» 伊達巻ちゃん読んでくれてありがとう!そう言ってもらえて嬉しいです( ; _ ; )! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。新作、楽しみにしてますね!胸が苦しくなるキュンさがたまりませんでした…泣。 (2021年2月26日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:仮屋瀬みらい | 作成日時:2021年2月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。