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「イヤリングというそうだ。」
「そうなんですか、義勇さんお詳しいんですね。」
「先日宇髄の嫁が身に付けていた。」
「ああ、宇髄さんお洒落な方ですもんね。」
「…あいつは少しばかり派手すぎる気もするが。」
くすくすと笑い合いながら、ちらりと義勇に視線を向ける。大量に並べられた装飾品をまじまじと見つめていた義勇は思い付いたようにその内の一つを手に取った。それは鮮やかな紅色をしたイヤリングとやらだった。
「…これはお前の雰囲気とは少し違うな。」
「私には少し派手ですね。」
「お前はもう少し落ち着いたものがよく似合う。」
そう言いながら、義勇が次に手に取ったのは小花柄の描かれた簪だった。日本らしい模様をしたそれは他の装飾と比べれば決して目立つものでないものの、義勇の手のひらの上に乗ればとても可愛らしく見えた。
「これなんてどうだ。」
「ふふ、私もそれに惹かれました。」
「お前によく似合いそうだ、買っていくか。」
天元の嫁が少し羨ましくなったことに気付かれたのかと思うと何だか申し訳ない気持ちになる。Aは義勇の手の上のそれを慌てて元の場所に戻し、再度義勇の手を握る。義勇が突拍子もないことを言い出す癖は相変わらずだと思った。
「いやいや、そんなことより義勇さん、早く帰って夕餉にしましょう…!」
「…そうか。」
義勇が零したどこか残念そうな台詞は聞こえないフリをした。
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仮屋瀬みらい(プロフ) - 凪子さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!これからも読者様に大切にしていただける物語を書けるように頑張ります! (2021年8月13日 23時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさんさん» 感想お寄せいただきまして、ありがとうございます!これからも頑張ります ^ ^ (2021年8月13日 23時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 莉子さん» 莉子さん!このお話を大切にしてくださってありがとうございました!また新しく義勇さんのお話書きたいなと思っているので暇つぶしにでもお読みいただけたら嬉しいです! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 伊達巻さん» 伊達巻ちゃん読んでくれてありがとう!そう言ってもらえて嬉しいです( ; _ ; )! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 78c8cda6bf (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。新作、楽しみにしてますね!胸が苦しくなるキュンさがたまりませんでした…泣。 (2021年2月26日 21時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮屋瀬みらい | 作成日時:2021年2月17日 18時