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「似てないですよね、顔とか。」
「そうかな。」
「それにAさんはすごく、穏やかだし。」
禰豆子を傷付けた実弥に対する炭治郎の怒りを言外に感じてAは思わず肩を竦めた。
目の前で大切な妹を刺されたのだから無理もないだろう。むしろそれは当然の感情かもしれない。しかし、実弥がそんな簡単なことにさえ気付かないのは、彼にとっては妹の存在がそれほど大事ではないからだろうか。
「ご、ごめんね…」
「いえ、頭突きできれば問題ないので!」
「あー、それは無理かも。」
あまりに決意が固そうで苦笑いするしかなかった。
「ところで炭治郎君、」
これ以上自身の兄弟について話すことなど特に思い付かず、Aは禰豆子のことについて詳しく尋ねてみることにした。
「俺、禰豆子を人間に戻したいんです。」
炭治郎から、家族が殺され妹が鬼になった日のことを聞いた。内容がどれだけ惨いものであっても、家族の話をする炭治郎はすごく優しい顔をしていて、唯一生き残った妹をどれだけ大切にしたいと思っているか、痛いほどに伝わってきた。
「二人は、素敵な兄妹なんだね。」
炭治郎の真っ直ぐな瞳があまりに眩しくて、何だか少し虚しくなる。
「Aさんが兄妹だったら、俺ならめちゃくちゃ大切にするけどね!?」
本音か建前か、そんな風に言葉をかけてくれた善逸に空返事をしながら頭では違うことを考えていた。
「…善逸君が兄妹ならいいのにね。」
「え!?何!?Aさん今なんて言ったの!?」
「ううん、何でもない。」
___私の兄弟は私のことを話すとき、いったいどんな顔をするんだろう。
「…あんな優しい顔、しないよな。」
あぁ、何だか、また胸が痛くなってしまった。
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仮屋瀬みらい(プロフ) - 香恋さん» お気遣いありがとうございます( т_т )春から環境が変わってちょっと疲れているのかもしれません、、また余裕ができたら更新いたします◎楽しみにしていただいているところ申し訳ございませんが、もう少し待っててください( т_т ) (6月15日 21時) (レス) id: 51aa3d423f (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - 仮屋瀬みらい様、お忙しい中お知らせありがとうございます…!お身体心配です(;_;)私生活あってこその活動ですのでどうぞ無理せずまた心から執筆したい時でいいと思います。綺麗な文章なのできっと何度も推敲して更新されてるんだろうなぁと。いつまででも待ってます! (6月15日 10時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 無一郎 霞柱さん» 本作を見つけてくださりありがとうございます🥲温かいコメントまで嬉しいです...!これからも更新頑張りますので応援していただけるとありがたいです。無一郎くんの良さを書けるように頑張りますね❤️🔥 (5月29日 23時) (レス) @page9 id: 51aa3d423f (このIDを非表示/違反報告)
無一郎 霞柱 - 初めまして。私は無一郎の大ファンでこの作品を見れてとても嬉しかったです。この作品は何度でも読み返せる作品だと私は思います今後も楽しみに期待しています! (5月29日 20時) (レス) id: e0adcf337a (このIDを非表示/違反報告)
仮屋瀬みらい(プロフ) - 香恋さん» 更新が遅くて申し訳ないです頑張りますね( т_т )!文章を褒めていただけることが何より嬉しいので香恋様のコメントに嬉し泣きしそうです( т_т )繰り返し読んでくださってるなんて...!たくさん作品を愛してもらえると嬉しいです( т_т )✨ (5月19日 20時) (レス) id: 51aa3d423f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮屋瀬みらい | 作成日時:2023年5月15日 0時