ナツメキ

13 -side A- ページ38

◆ハルside◆

　

楽しかったね、海人たちちょっと心配だね、
って当たり障りないことしか話せなくて、
また気まずい帰り道。

しかも今回は家の目の前まで送られる気がするし。

もう宮近と2人になるのはキツいかもって、元太くんに相談してみようかな。
そしたら余計な詮索されちゃうかな。


宮近「内定先って？」

そこで宮近が、新しい、当たり障りないを提供してくれたから助かった。

「うん、出版系」

宮近「おお、さすが。有言実行」

「私なんか言ってたっけ」

宮近「言ってたよ」

　
当たり障り、あったような気がした。
宮近と仲良くなったの、漫画の貸し借りからだったし。

　

「宮近は？なんで帰ってきたの？」

宮近「俺の話はいいよ」

「みんなが一番聞きたいことだよ。みんな言わないけど。宮近帰ってきて嬉しいから」


宮近なんで帰ってきたか聞けた？って元太くんに言われたことがあって、
ああやっぱりみんな聞けないんだと思った。

高校の時からそう。
仲良くなっても、深く突っ込んで嫌がられる怖さがあった。

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