ナツメキ

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打上花火を見るなんていうのはまあただの集まる口実で、
結局いつものように円になって缶ビール飲んで、各々スマホを弄っている。

変わったことと言えば冷やしきゅうりを持ってることくらい。

初めこそ「た〜まや〜」と大声をあげた元気な人たちも、
この人混みじゃほとんど見えないことに気づき(毎年そうなんだけど)
その方角にとうとう背を向けてしまっている。


写真撮って、動画撮って、ストーリー作って、同級生のストーリーを見て、全然関係ない話をして、こんなもんだ。


宮近「まだアキと連絡とれんの？」

画面と睨めっこの私に宮近が声をかける。

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「うん」
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元太「まじで俺ら拒絶されたんかね笑」
⁡
「なんかそれならいいんだけど、インスタにも気配がなくて心配なんだよね」

宮近「インスタに気配ないと心配？笑」

「うん。わりと笑」

元太「わかんないよ。ニュードリーミンかもしれない」

「やめなさいて笑」

松倉「…うわ。おい、俺の変な、波乗りジョニーで変な動きしてんの、ストーリーあげんのやめてくんね、最悪なんだけど」

宮近「仕返し。お前がこないだ俺の事あげたからなんかいっぱい連絡来てだるかった」

「そりゃそうでしょ。久しぶりなんだから皆会いたいんだよ」


元太「うわまって」

突然大声をあげた元太くんが、スマホの画面を皆に見せる。

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元太「海人からライン」

宮近「噂をすれば？」
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松倉「まってなに、……怖い話？」
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元太「完全に怖い話なんですけど」
　
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「"機嫌ブチ悪なので対戦よろしくお願い致します"…」
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宮近「こっわいんですけど」
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元太「絶対対戦したくないんですけど」
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⁡
そのとおりだと笑いながら、
アキになんかあった？大丈夫？って追いLINEしておいた。

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