43☆永瀬side ページ43
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水分補給をしようとキッチンに向かって歩く俺の
後ろから
パタパタパタってスリッパの音
Aさんがついてきてるってわかった。
「…なんでいちいち付いてくんの？」
ああーーーアホ！俺のアホ！！
関西弁やから？なんかキツイ言い方になっちゃう
俺のこんな言葉を聞くと、
だいたいの女の子たちは永瀬くん冷たいんだねって
サーって引いてく。
A「何か飲み物いるかなぁと思って。何がいいですか？」
「…水」
A「分かりました。永瀬君はソファーで待っててください」
Aさんは余裕な顔をして
キッチンに消えていく
最初の頃に比べたらよく話すようになって
少しずつだけど笑うようになってくれた。
やけどなんか核心には近づけさせてくれない感じがしてる。
ほんまはもっと、Aさんと仲良くなりたい。
欲を言えば1番最初に俺が…なんて。
A「はい、どうぞ」
「ありがとう…」
コップに張り付いた水滴が時計みたいで
早くしろって急かされてるような気分になった
水を飲み終わって、コップを片付けて
2人で廊下に出る。
2人きりになるの久しぶりかも、
A「今日も遅くまで練習お疲れ様です。おやす…
「Aさん」
A「永瀬くん、どうかしましたか？」
ほらまたそうやって、余裕そうな感じで
俺の顔を覗き込んでくる。
「…A」
A「え？」
「俺今度からAって呼ぶ。だからAさんも廉って呼んで」
A「…れん…？」
「そう、廉！あと敬語もやめて！」
勢いよく話し続ける俺に驚いたのか
ただでさえクリクリなAさんの目が
さらにまん丸になってた。
「じゃ、A！おやすみ！！」
それだけ言って急いで階段を駆け上がる。
やば、言い逃げしてもうた。
でも今のところ俺が1番
Aさんと仲良くなったはず…！！
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年5月22日 14時
