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prologue ページ1

「うっひゃあ。」




あまりの広さとあまりの人の多さに空いた口は塞がらなかったし、そこからは情けない声が漏れ出た。
本日降り立ったその地は故郷からは遠く、離れに離れた場所であり、きっともうしばらくは故郷になど帰れはしないのだろう。

あのジジイめ。
変に追ってきやがるからこうなったんだぞどうしてくれる。

手にはあまり大きくはないキャリケースが1つ。
背にはまあまあのサイズのリュックが1つ。
それ以外は何も持たず、他の旅行者なんかに比べたって自分の身なりはとても身軽だ。

港にある大きな時計が丁度12時を知らせるために鐘を鳴らした。時差でぼんやりとした頭を覚ますのにはぴったりの音を聞く。人々は忙しなく歩き、そして海には大小様々な船が行き交っていた。

通ろうとした検問所では仕事で長期滞在の予定だと告げた。明らかに少ない荷物に眉根を寄せた職員が不審げに俺を引き止める。苦笑いと潤沢な資金、そして俺の仕事を身振り手振りでどうにか伝えたら通してもらえたが。
ちなみに仕事で滞在は勿論のこと嘘である。

キャリーケースをゴロゴロ言わせて引きずりながら、俺は自分より身長の高い奴らの間を抜けて、青い空の下で港を抜けた先のその国の地を踏んだ。




俺の名前はAという。
生まれは極東の島国。
育ちは色々な場所を点々としたためよく覚えてはいない。



そして今俺が立つ地は極東からは遥かな西。



ここでやらなきゃいけない事がある。とても重要で大切なことだった。
俺は歩まねばならない。
ただひたすら、どこまでも。

今にも鳴り出しかねない腹を抑えて、俺は晴天の下を歩き始めた。







ここは東洋とはなにもかもが違う、見たこともない世界。
そう、全ては俺のために。

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そうる(プロフ) - 表現や関係性、トリック等に山のように修正箇所がありますし、名前変換の修正が不充分な箇所もあるので土に埋まりたいほどなのですが、それでも今なおコメントしてくださっている方、地中から発掘してくださった方にこの場を借りて御礼申し上げます。 (2022年7月9日 22時) (レス) id: 4692de9cf0 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - 読んでくださっている方、ありがとうございます。古に拙文を書いた当人です。四年前のテキストに耐えかねアカウントを消してしまったため、この作品の細かい箇所の修正がもうできません。(パスワードを忘れてしまいました) (2022年7月9日 22時) (レス) id: 4692de9cf0 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - のぁさん» 貴重なご意見ありがとうございます。とても参考にさせていただきました。弱い、という言葉では主人公を表すのにいまいちしっくりきていなかったので思い切って変更することにしました。続編の方でもお付き合いいただければ幸いです。 (2017年10月22日 20時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)
のぁ(プロフ) - 続編おめでとうございます!題名の事ですが、私としては題名にこだわり等はないので変わってもそのままでも、と思っています。もし作者様が今の題名より素敵な題名を思いついたのであれば、それに変更する。というのでもいいと思います! (2017年10月22日 17時) (レス) id: 716e994b36 (このIDを非表示/違反報告)
英智君尊いよぉぉぉぉ(((殴 - あっそうなんですね。わかりました〜書き直しが出来たら教えてください♪ (2017年6月17日 18時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そうる | 作成日時:2016年12月12日 9時

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