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本棚の隙間から見える
向こうの長机に見えた背中は、多分知らない高校だと思うんだけど
ピンクに染め上げた髪に、遊ばせた毛先
絶対、ではないけど 先輩？
その人は後ろ姿だけでも先輩そっくりで
もし先輩だったら？
頭が真っ白になって じっと見つめる
向こうの"先輩"らしき人が立ち上がったのと同時に本棚と壁の角にしゃがみこんだ
答え合わせをしたらどうにかなっちゃう気がして
目をつぶって息を整えるけど、あのとき感じたドキドキするような言葉も、思い出したくない言葉も全部一気に蘇ってきて
もし向かってきたらどうしよう
「A？」
上から降ってきた低い声は大好きな声で、頬を撫でるのもいつもの大好きな骨ばった手だ
『ほくとくん』
「ねえ」
見上げると北斗くんは心配そうな顔で見つめている
と思ったら"先輩"らしき人が、こっちの本棚の列に曲がってこようとしてるのが見えて、
『さん、30秒だけ 隠してほしい』
咄嗟に出たお願いは私の語彙力じゃ全然補えなくて、ほくとくんごめんって思いながら目をつむると
ほくとくんは自分のカーディガンを脱いでパサって私の頭に乗っけて、そのまま本棚に両手をついて 壁ドン？じゃないけど、しゃがんでる私を隠してくれた
ほくとくんの匂いのするカーディガンに、また泣きそうになって
もう行ったかなって思って立ち上がろうとすると肩をぐって押されて引き戻された
「いいって言うまで立たないで」
『あ、うん』
「あいつでしょ？」
ほくとくんは小声で囁いて、ちょっと目配せをした
『ほくとくん ねえいつもごめんね』
うつむいて答えると、ほくとくんはカーディガンをちょっとずらして覗き込んだ
「善意だと思ってる？これ」
それ以外、なくない？、
ほくとくんは両手でぐって起こしてくれて、ちょっと私の肩を叩くと、また心配そうな顔にもどった
「A見ると俺ね、守らなきゃってなるの」
『え？』
「京本も樹も同じなんだろうけど」
戻ろっかってぽんぽんってされた頭が熱くて、いつも助けてくれるほくとくんも、帰り道に アイツ誰だったの？ とか 余計なことを聞かないでくれるほくとくんも、もっと好きになった
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はむ(プロフ) - 翡翠さん» ありがとうございます！設定はこだわっているので褒めていただけて嬉しいです、今後ともよろしくお願いします (2022年2月5日 22時) (
レス) @page21 id: e9203654aa (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 物語から設定までめっちゃ好きすぎます、！更新楽しみにしてます、！ (2022年2月1日 18時) (レス) @page5 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2022年2月1日 13時
