新しい恋をしよう【黒羽快斗】 (ページ10)

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「久しぶりじゃない桜〜！クラス離れてから会わなくなったよね？桜、新一にも会わなくなったし...」

やっぱり気付かれてたか

「うん...蘭、私ね卒業式の日に新一に告白することにしたんだ」

蘭の手元から教科書が滑り落ちた

そう、決意とはこのこと

いっそのこと一思いに振られてしまえば私のこの気持ちも楽になるはずだ。蘭にだけはこのことを伝えなければと思った

「そ、そうなんだ！新一、桜のこと好きだもん！絶対OKされるよ！私、応援してる」

「違うよ、蘭！新一は私の事なんてただの幼馴染としか見てないんだよ...新一がちゃんと大事にしてる人は別にいるの。私のこの告白はケジメ！スッパリ振られて高校からは新たな人生を歩くの」

私はこの恋から逃げることにしたのだ。思えば10年以上彼に片想いしてたのか。この重すぎるほどに育ってしまった恋心を簡単に捨てられるとは思ってないが、蘭に言ったことは本当だ

「蘭も、幸せになってね」

蘭の顔を見るのが怖くて言うだけ言って、逃げるようにその場を去った。これが私と彼女の中学時代最後の会話だった