大海の奇跡 ページ14
学校のチャイムの音が鳴ったというのに隣のバカはずっと携帯を見ている
「ちょっと！いつまで携帯見てんのよ！始まってるよ」
「へーへー。わかってるよ」
私の忠告なんて右から左に流れているようでその手は相変わらず動いている。暫くするとなにぃ！？と大声を出してそのままお腹が痛くなってきたと言って何故か私の手も掴んで早退した
あまりの急展開にされるがままでいると寺井さんが経営しているブルーパロットに来た。ドアを勢いよく開けるとそのままカウンター席に座る
「ぼっちゃまに、雪乃様！？この時間は学校では？」
案の定新聞を読んでいた寺井さんがびっくりしたように尋ねる
「早退したよ」
「てかなんで早退したの！？まだ理由も聞かされてないんだけど！？」
これだよと寺井さんが読んでいた新聞を広げ、その一面にデカデカと飾られた挑戦状を指差す
「怪盗キッドに告ぐ...。貴殿が所望するビッグジュエル
「鈴木財閥相談役...園子のおじいさんかな？初めて顔見たかも」
だがこれは明らかに罠だ。この間の模造真珠のようにきっとこの人も金にモノ言わせるタイプだからどんな警備体制で来るのか見当もつかない。おまけに今回は先手を取られてしまってる
寺井さんも心配そうに忠告するが快斗は自信満々に告げる
「天下の怪盗キッドが正面切って喧嘩売られてるんだぜ！こっちもバーンって予告状出さなきゃ治らねーよ！」
ハハハ、出た出た。快斗の子供っぽいところ。ほんとに目立つのが好きなんだから...
「とにかくやるからな！ジイちゃん、雪乃！下調べ頼むよ！」
「はいはい。怪盗キッド様の仰せのままに」
色々情報を集めてたらあっという間に夕方になり快斗と2人並んで帰っていた。すると隣で信号待ちをしていたカップルの会話が耳に入ってくる
「キッドは大丈夫よ！」
「でも博物館の屋上だぜ？」
どうやら例の
「そんなのダーって走って壁を登るのよ！キッドならそれくらいやるわ！」
とんでも理論に二人して苦笑する
「まるでゴキブリみたいね」
思わず呟くと後ろから頭を殴られた。こいつの脳内には手加減って文字存在しないのかよ
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作者名：ぽむ | 作成日時：2023年5月5日 1時
