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中に入ると展示台の上で胡座をかいて座っている京極さんの姿が。首元には今回の獲物がキラリと光輝いている
「(確かに一緒だわな)」
私たちに気付いたのか次郎吉さんが声をかけてくる
「でかしたぞ園子!あのような兵を交際相手に選ぶとはさすが儂の姪っ子じゃ!」
「しかしキッドの予告時間は客が退けた後の午後10時。何も今からああやって」
誰もが思うであろう疑問をぶつける中森警部
「彼たっての希望じゃよ!予告時間通り盗んだと見せかけて実はすでに偽物とスリ替わっていたなんてことのないようにな」
今回は正面堂々盗みに入るつもりな為次郎吉さんの考えは外れだが___こんなにも早く彼を設置するとは想定外
チラリとコナンくんにバレないように照明の位置を確認する
今回私には私の仕事があるんでね
つか暗闇だと神経が研ぎ澄まされるなんて夜行性の猫かよ
するとそれまで静観していた何故かローブを着た園子のお母さんが口を開く
「今回は私からも秘策がございますわ。キッドの十八番は我々に近しい人物に成りすまし、まんまと宝石に近付く変装術。相談役も中森警部もその経験がおありでしたわよね?」
「あ、ああ」
「だからこうやってたまに顔をつねって...」
お互いに顔を強く引っ張りあう中森警部たち。もはやコントにも見えてくる
「殿方ならそれでよろしいでしょうけど、女性にこのような無粋な真似はしづらいのが心得」
「パリのデザイナーに特注し、今日届いたばかりの世界に一着だけしかないこのお洋服ですわ!」
バッとローブを脱ぎ捨てると確かに高級そうな服が現れた
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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年5月5日 1時