伝説の秘宝 ページ2
「快斗〜、私ちょっくらシンガポール行ってくるわ」
「お〜、いってら.....え、今なんつった!?」
珍しく気難しい顔でベッドの下でスマホを弄ってた快斗の頭にベッドの上からもたれかかって言うとナイスノリツッコミが返ってきた
「だーかーら!シンガポール!ほらみてみて!この大会に京極さんが出るらしくて園子に誘われたの!」
京極という名前を出すとすぐさま顔を顰めた快斗に笑ってしまう
デカデカと空手と書かれたポスターを快斗の顔の前に突き出すと快斗はポスターをくるくる丸め拳の中にしまった。そしてカウントダウンをして拳を開くと中からは白い鳩が出てくる
「えぇ....どういうマジックよ...」
「タネを教えたらつまんねーだろ」
ケケケと気味の悪い笑い声を出すと快斗は私の腕を引っ張って己の腕の中に閉じ込めると私の肩に顎を置いて全体重をかけてくる
「ちょ、痛い痛い!!」
なんだこのバックハグに見せかけた新手の締め技みたいな行為は
「オメーもシンガポール行くんだな...ま、こうなるだろーなーとは思ってたぜ...あのお嬢様がオメーのこと誘わないわけないもんなぁ」
しみじみと呟いてるがいい加減やめてほしい。健康な男子高校生の体重を支えるには私の肩は柔すぎるんだ
願いが届いたのかやっと絞め技モドキをやめてくれた。未だにヒリヒリ痛む肩を労ってると先ほど快斗の言った言葉に引っかかる
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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年6月6日 22時