【d!】8月32日【合作】 (ページ9)

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「ごめんっ、レモネード二つでお願いしまーす!」

「あっ、はい!」

言われた通りレモネードを二つ用意して持っていく。お待たせしましたと言って机に置くと、一つは彼が手に取り一つは何故か突き返された。あれ、二つって言わなかったっけ?

「これはオネーサンの分。さっきからめっちゃしんどそうやったからちょっとでも飲んだ方がええで」

「えっ……あ、ありがとうございます……!」

「ひゅ～シャオちゃんイケイケやん」

「さっきからずっと気にしとったもんな?」

「やめ、お前ら言うなや!!」

今の今まで調子良くリードするような印象だったのが一変、途端に顔を赤くさせて友人に突っかかっていく彼に思わず笑う。当然笑っているのを気づかれてしまい、笑うなや～!と言われたがその声はとても柔らかかった。

「んなことはええねんて! レモネード嫌いやなかったらあげる! あと……仕事終わるん、何時か聞いてええかな……?」

「……四時、です。四時上がりなんで、あと一時間くらい……」

「! お、俺シャオロンっていうねん! 仕事終わったら、れ、連絡先交換とか……」

「いいですよ。シャオロン、さん」

「っ!!!」

っしゃぁ!!

ガッツポーズをして喜ぶシャオロンさんと、ニマニマと彼を突っつく友人たち。そんな様子に、ああこの人とってもいい人なんだな～なんて思って、少なくともこのナンパを了承したことが悪いことではないことを知った。

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