【d!】8月32日【合作】 (ページ8)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:8,149 hit

甘いレモネードはいかが？(sha) ページ8

左手に焼きそば、右手にはドリンクを三つ載せたトレー。

高校三年の夏だというのにこんな風にアルバイトなんてしている理由は、それこそ今後の進路である専門学校の入学金その他諸々に充てるためだ。
周りの子達より一足先に受験をAOで終わらせた私は現在、プールサイドで展開しているのレストランでプール客を相手に店内をグルグル回る接客マシンと化していた。
開店からひっきりなしに客は続き、閉店までずっと満席状態。その分店も儲かればこちらの時給もそこそこではあるが、それにしたって客が多すぎて辟易してしまう。

タスクを三つも四つも抱えながら注文、盛り付け、配膳、注文……そろそろ喉が渇いたなあと首筋に流れた汗を手の甲で拭っていると、奥の男性グループ卓からオーダーの声。

「はぁい!」

ドリンク作りを別の子に任せて注文を取りに行く。

大学生っぽい男性が四名の卓。随分賑やかで楽しそうにしている彼らもどうやらプールを満喫してきたようで髪が少し濡れているのが分かった。
先程から注文を元気に言ってくれる溌剌な男性客にお代わりですか?と聞くと「え、注文覚えてるん!? すげ～」と言って何だか照れる。さっきからレモネードしか頼んでなければそりゃ覚えますとも。

と、そんな調子でドリンク場に戻ろうとしたとき、彼が言う。