【d!】8月32日【合作】 (ページ47)

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「なんでこうなるの〜っ！？」

ゴウン、ゴウンと聞いた事のないタイヤの音を響かせながら、凹凸の多い山道を走る。
木々の隙間を縫うように走れば、どんどん人が容易には入れないような山奥を突き進む。
ババをひいてしまったのなら、ひいてしまった事実を隠せばいい。それこそ土の中にね。

「あのさ、なんでついてきたの？」
「はは、面白そうやから？」

嘆く私をよそに、私より仕事のできる後輩ショッピくんは助手席に座って淡々と笑った。
質問を疑問形で返すのは人間性に問題があるやつだと思う。自論だけど。
それにしても、よく死体隠蔽現場を見てついてこようと思ったな。
横目でショッピくんを見ると、彼はライターの音を鳴らしてから、大きく肺に煙を取り込んだ。
匂いがつくからやめてほしかったけど、ちょっとだけおじさんを乗せるのを手伝ってくれたから、わざとらしく窓を全開にするだけに留めておいた。

「ねぇ、手伝ってよ！」

ホームセンターで買った大きなスコップを、なるべく木の根が少ないところに突き立てる。
ドラマなんかでは簡単に掘っているから、もっと楽なんだと思ってた。
森の中って木の根が多くて土壌がしっかりしてるから、掘るのにすごく時間がかかるし、何より体力が凄まじく奪われる。

「汚れるんで無理っす。」

だというのにショッピという男は、私が必死に汗水垂らす姿を見て、ニヤニヤと意地悪く笑っている。
じゃあなんで乗ってきたんだよ、手伝ってくれるんじゃないのかよ、なんて言葉は一応心にステイさせておく。
木の根を避けながら、おじさんが地中に縦に刺さっても出てこられないくらい深く、深く苛立ちを含めて掘った。
もちろんすごく時間がかかったし、その間ショッピくんは煙草を吸ったり、音ゲーしたり、自由なものだった。
何を言っても適当にあしらわれるから、私からしたら面白くなかったけど。

「ショッピくん！」

私も穴の外に出るために、声をかけるとショッピくんはひょこっと顔を見せた。

「外出たいから、手伝って。」

私がそういうと、ショッピくんはちょっと嫌顔を顰めて、手を伸ばして掴むよう言ってくれた。
ショッピくんは身体が細いのに、私を引き上げるときの力強さには驚いたけど。
このまま置いていかれたらどうしよう、とか少し考えていたから、ちょっと安心。

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