135秒 ページ24
目に濡れタオルを当てると、ひんやりとした冷たさが熱を吸い取ってくれるみたい。
｢腹減ってる？ せっかくだしなんか食うか｣
そう言って店員を呼び寄せるなり、彼はテキパキといくつもの料理名を告げ始めた。
二人しかいないわりに、注文した量が明らかにおかしい。
｢私からお呼びしたのに、お待たせしてしまって本当にごめんなさい｣
｢呼び出したのは、どっちかと言えばオレの方だろ。
それに言ったじゃねぇか、ずっと待ってるって。
…来てくれて、ありがとう｣
そんな言葉と共に微笑まれたりしたら、妙に落ち着かない気分になる。
｢だから、それは私のセリフですってば｣
目を細めて控えめに笑うその表情。
思い切り笑ったら、どんな感じなんだろう。
見た事はあるのかな、私に笑いかけてくれた事はあるのかな…。
｢……最近、何かを思い出しそうになるんです｣
夢を見て、夜中に何度も目を覚ます。
何を見ていたのか覚えていないのに、そんな時は決まって泣いていて。
誰かの声が脳裏を掠めて、無意識に誰かの背中を追いかけている。
手を伸ばすのに、伸ばした先には何もなくて、それでも何も無い何かを掴もうと躍起になってる。
｢私は誰なのか、以前そう訊いた時言われましたよね。
知らない自分を知る覚悟はあるのかって｣
ゴクッと唾を飲み込んで、膝の上で拳を固くする。
伏せていた顔を上げた先にあったのは、穏やかな海みたいな色。
柔らかさを含んだその瞳は綺麗で、ゆっくりと吸い込まれてしまいそう。
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三暁 那保(プロフ) - まめちゃんさん» お返事遅くなりまして、申し訳ありません。コメントありがとうございます！全部読んで下さったなんて、とても嬉しいです！そのお言葉だけで十分です、ありがとうございます！今後も楽しんでもらえるよう、誠心誠意頑張ります！ (2020年7月1日 19時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
まめちゃん(プロフ) - こんばんは。小説全て読ませていただきました。言葉や表現がすごく綺麗で、とっても素敵でした！どれも何度も読み返したくなるものばかりです！こんなに素敵なものを読んだのに感想を上手く伝えられないのがもどかしいです。これからも楽しみにしています。 (2020年7月1日 0時) (レス) id: 0c53fba3ac (このIDを非表示/違反報告)
三暁 那保(プロフ) - 雪華さん» お誘いありがとうございます。せっかくのお話ではありますが、今はこの作品を完結させる事を優先させたく存じます。ご期待に沿うことが出来ず、申し訳ありません。また機会がありましたら、お声かけ頂けると嬉しいです。 (2020年6月26日 22時) (レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - あの、良かったら一緒に合作をします? (2020年6月26日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2020年6月9日 19時
