No.245 ページ6
｢まったくもう｣と言葉を漏らし、コアラは寒さで赤くなった鼻先までマフラーに埋めた。
ｺｱﾗ｢…寒いね｣
零れ落ちた息は白く、風が吹くたびに、冷たさを肌を刺激する。
こんな冬空の下でAは今、たった一人で戦っている…。
ﾊｯｸ｢二人共、まだ起きていたのか｣
ｻﾎﾞ｢ハック、Aの様子はどうだった？｣
暗闇から、わずかな手元の明かりだけを頼りに戻って来たハックに、労いの言葉をかける余裕もなくそう訊ねる。
ハックもAに近付くなと言われた一人ではあるが、さすがに本当にAを一人っきりに出来るわけもなく。
交代制という形を取り、数人ずつで遠く離れた位置から双眼鏡を使い、フィルンの町を監視するという体で、Aの様子を見てもらっている。
事情はぼかして伝えてあるため、表情には出さないけど、それでも不満の色は見える。
ﾊｯｸ｢町に動きはない、Aも変わらず寝ているようだ。
遠くからだからはっきりとは見えないが、特に魘されている様子は見えなかった｣
オレとコアラの前にハックは腰を下ろし、三人でランプを囲むような形になった。
ﾊｯｸ｢休まなくて大丈夫なのか？
ずっと起きているだろう、サボもコアラも｣
ｻﾎﾞ｢…Aが頑張ってるってのに、オレらだけ休めるかよ。
そういうハックも、全然寝てないじゃねぇか｣
ﾊｯｸ｢ああ、二人と同じ理由でな｣
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
