No.285 ページ46
一際大きな音が響いたあと、不自然なくらいに静かな時間が続く。
スッと帽子が持ち上がり、暖かな日差しが頬を撫でた。
視界は明るくなったけど、私の顔は上がらないまま。
ｻﾎﾞ｢A、無事で良かった｣
なんで…。
なんでそんな優しい声で、私の名前を呼んでくれるの……？
私は、総長に助けてもらえる資格なんてないのに。
貴｢ごめん…なさい…｣
迷惑かけてごめんなさい。
約束を守れなくてごめんなさい。
全部、全部私が悪いんです。
忠告を聞かず勝手に船を降りて、見つかって。
自力で帰ろうとしたけど無理で、こんな怪我までしちゃって、結局助けられて……。
総長に合わせる顔がない、革命軍になんて戻れない。
貴｢ごめんなさい…。
嘘つきでごめんなさい、黙っててごめんなさい、ずっと言えなくて…ごめんなさい。
……総長の事…好きで、ごめん…なさい……｣
ｻﾎﾞ｢……A、オレの顔を見て｣
その言葉にビクッと肩を揺らして、声に釣られるままゆっくりと目を上げた。
ｻﾎﾞ｢オレさ、怒ってるように見えるか？｣
貴｢……いえ｣
怒ってる顔には見えない。
いつものように、優しい顔をしている…ように見える。
傷一つついてはいなくて、変わらない真っ直ぐな瞳は相変わらず綺麗で…。
ｻﾎﾞ｢怒るわけないだろう。
オレ、騙されただなんて思ってねぇんだから｣
ポンポンと二回、温かな手が私の頭に触れる。
ｻﾎﾞ｢怪我が酷い、早く船に戻るぞ。
追っ手が来ないとも限らねぇし｣
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
