No.280 ページ41
周りは森のようで、木々しか見えない。
ここが革命軍の船が停まっている島と同じなこか、この景色だけでは判別つかない。
…けど、同じような気がした。
とにかく、少しでも遠くに行かないと。
パァン──
そんな、乾いた発砲音。
急に足が動く事をやめ、顔から地面へと倒れ込む。
直後、燃える熱が右足を襲った。
貴｢っう……｣
痛い…より、熱い。
初めて襲うその感覚に、｢何これ｣としか思えない。
ﾎｰﾈｯﾄ｢まったく、困ったものですねぇ。
まさか逃げ出す意志をお持ちだったとは、夢にも思いませんでしたよ｣
足が熱くて、意識まで朦朧としてきたみたい。
目も霞んできて、雑音が酷い。
それなのに、冷たく刺さるようなその声だけは消えてくれない。
ﾎｰﾈｯﾄ｢念のためと思い、わざわざ海楼石の手錠まで付けていたというのに…。
どうやら革命軍に居た三年間を、少々甘く見ていたようですね｣
顔を見なくたってわかる。
むしろ、顔を上げられなくて、丁度良かったのかもしれない。
顔を見てしまったら絶対に、私は恐怖に支配されてしまうから。
髪を掴まれ、地面が少しだけ遠くなった。
ぶちぶちと数本、根本から引き抜かれる音と痛みがする。
ﾎｰﾈｯﾄ｢道具なら道具らしく、抵抗なんかせずに大人しくして、ワタクシの手を煩わせないで頂けますか｣
貴｢違…う…。
私は、道具なんかじゃ…ない…っ｣
ﾎｰﾈｯﾄ｢道具ですよ、ワタクシの野望を満たすだけの。
そのために大金を出して、あなたを買い取ったのですから。
忘れたのですか？ 売られた事を｣
貴｢っ｣
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
