No.275 ページ36
嘘をついていたと嫌われたくないから、距離を置かれるのが怖いから。
それは事実、でも本当はきっと、それだけじゃない。
私は、目に見えて態度が変わってしまうかもしれない、それが…一番怖いんだ…。
──あなたはいつも嘘ばかり。
他人を騙して、自分を騙してる。
だから自分の心にも気付かない、ううん…気付かないふりをしてる。
……本当にその通りだよ、私は逃げてばかり。
誰かのためなんかじゃない、私は自分が傷付きたくないだけなんだ。
──いい加減素直になってよ。
拒否しないで、私の存在を認めて。
私を必要だって言ってよ！
…帰りたいな、皆の所に。
会いたいな、総長に。
伝えたいな、私のこの気持ち。
貴｢………｣
ベッドから、ゆっくりと立ち上がる。
うん、大丈夫。
体は重いけど、動く事は出来る。
一歩動かす事に、ひんやりとした温度が足の裏から伝わる。
ドアを開けると思った通り、見張りの類いはなかった。
出るとすぐ、幅の狭い階段があるだけで、ここ以外に部屋はない。
奥の方にいくつかの木箱が積み重なっているだけ。
天井が通常よりも低いから、たぶんここは甲板の下にある地下みたいな所だと思う。
階段を上がった先にある格子蓋以外に、ここから出る手段はなさそう。
試しに階段を上り、格子蓋に触れてみるけど、
鍵が掛かっているらしく持ち上がらない。
人の声が聞こえるし、甲板には見張りと思われる人が数名いるよう。
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
