No.274 ページ35
ﾎｰﾈｯﾄ｢一つお伝え致しますが、逃げようなどと思っても無駄ですよ。
周囲は部下で取り囲み、常に見張っていますから。
まあ、逃げようにもその状態では、とても無理でしょうがね｣
カシャンと鳴るその音が、言葉の意味を示している。
ﾎｰﾈｯﾄ｢以前のようなお迎えも期待しない事です。
王子が迎えに行く相手は姫だけだと、相場は決まっています｣
｢それでは｣その言葉を残して、ホーネットは姿を消す。
静か過ぎる部屋の中、ドクンドクンと鼓動だけが冷たく響いている。
体を起こすだけでも一苦労、本当に海に沈んだあの時みたいに、全身の体力が根こそぎ奪われていて。
窓はない、小さな小部屋。
木目調の壁と床から、ここは船の中だと確信は得た。
私が座っている簡易なベッド以外に、木箱や布袋、樽などが転がっているだけ。
出入り口は、ホーネットが出て行ったドア一つのみ。
人の気配を感じたりとかは出来ないけど、でもドアの向こうに見張りはいない…気がする。
逃げられないし、私が逃げると思っていない。
力が入らないのはもちろんの事、加えて着てるとは言えないシャツ一枚のみの格好。
こんな姿、見られるわけにはいかない。
…見られたら最後、女だと一目でバレてしまう。
貴｢………｣
私、どうしていつまでも隠しているんだっけ…。
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
