No.272 ページ33
私は、わ、わたし…は……。
──私を捨てたくはない、だけど不要だから見えないところに隠してしまう。
……ねえ、消える事も出てくる事も出来なくて、ずっと閉じ込められて無視される私の気持ち、考えた事ある…？
…………。
──恋心だけじゃない。
嬉しいって気持ちも、楽しいって感情も、幸せって思いも、全部無かった事にされるの。
嘘だって、気のせいだって、私の全てを否定される。
…苦しいの、悲しくて辛いの。
ねえ、いつまで？
私はいつまで、こんな思いを抱えてなきゃいけないの…？
私を殺すつもりがないなら、いい加減素直になってよ。
拒否しないで、私の存在を認めて。
私を必要だって言ってよ！
──言ったじゃない。
私の前では“Aちゃん”のままでいてって、
そう…言ったじゃない……。
ゆっくり目を開けると、視界はぼやけている。
横に流れる温かい水滴が、泣いている事を気付かせてくれた。
…あれは…夢だ。
予知夢じゃない、誰かの夢の中でもない。
私の、ただの夢。
どうして私、あんな夢を見たんだろう…。
涙が邪魔で拭おうと手を動かした時、ようやく違和感に気付いた。
金属同士が触れると鳴る音に似ている、それが手を動かしたら聞こえた。
確かめようとするけど、指を動かす事すら難しい。
……力が、全然入らない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
