No.268 ページ29
ｻﾎﾞ｢…ったく、どこ行っちまったんだよ｣
船内は全て捜した、なのに姿は一向に見当たらない。
少々時間は取られてしまったが、体力のないAが、この短時間でそう遠くまで行けるとは思えない。
もしかして船の外に出てしまったのかと島に降りたが、ただでさえ月のない夜、Aの姿は見つからない。
ｻﾎﾞ｢島には行くなっつったのに…｣
今日一日島を回っても、確固たる証拠はなかった。
しかし妙な気配は強くなる一方で、予感は確信に近くなる。
ｻﾎﾞ｢っAーッ!!｣
どれだけ叫んでみたって、答えなんて返ってはこなくて。
膝に手をついて、呼吸を整える。
目線が下を向いた時、視界の先に何か白い物が落ちているのが、この暗闇でも見えた。
近付いてそれを拾い上げれば、見覚えのあり過ぎる白い帽子。
ｻﾎﾞ｢A……｣
どうやらこれは、考えたくなかった一番最悪の状況みたいだ…。
ｺｱﾗ｢サボ君っ！｣
船に戻るなり、ドアップのコアラの顔。
そしてその後ろに転がっている、負傷者数名。
ｻﾎﾞ｢コアラ、それは…？｣
ｺｱﾗ｢なんか様子がおかしかったから問い詰めたら白状したので、一発ずつ殴っておいた｣
心の中で｢ナイス｣と褒め称えていると、コアラはオレの手元に目線を下ろして、静かにこう問う。
｢Aは？｣って。
それに無言で首を横に振れば、コアラの表情は不安な色に塗り変わった。
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
