No.253 ページ14
私が落としたタオルを拾い上げた総長は、枕元に置いてあった洗面器にそれを浸した。
｢もうぬるくなってるな｣なんて溢しながら、固く絞ったタオルを額に乗せる。
もしかして総長、ずっとこうして看病してくれていたのかな…。
そんな淡い期待を抱いてしまいそうになるくらい、その手付きは慣れているようにスムーズに見えて。
そんなわけないとわかっているけど、そうだったらいいなって想いが捨てられない。
ｻﾎﾞ｢水替えてくるな。
……A、どうかしたか？｣
立ち上がった総長が、洗面器を持ったまま足を止めたのは、私の手が弱く総長の服の裾を掴んでいたから。
貴｢…あ、ご…ごめんなさい…｣
慌てて手を放すけど、総長は部屋を出る事はしなくて。
それどころか、また同じイスに座り直した。
ｻﾎﾞ｢いいよ、Aが寝るまでここにいる｣
……どうしてこの人は、こんなに優しいんだろう。
私は部下で、総長にとっては男で、たいして役にも立てない、ただの雑用係でしかないのに。
そんな風に、優しくしてくれるから。
笑いかけてくれるから、真っ直ぐに見てくれるから…。
ダメなのに、好きって想いは大きくなる一方で。
全然消えようとしてくれないから…困る……。
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
