No.243 ページ4
貴｢…重いです、これ｣
ｻﾎﾞ｢それくらいで音を上げんな、どんだけひ弱なんだよ。
それとも何か？ いらなかったか？｣
貴｢……いります｣
慣れない重さが嬉しくて、両手でゴーグルを包むように触れる。
貴｢ありがとうございます、総長。
明日、必ずお返しします｣
ｻﾎﾞ｢無くすなよ｣
クシャッと頭を撫でてくれて、そして笑ってくれた。
その笑顔があるから、私も怯えずに挑む事が出来る。
貴｢総長、行って来ます｣
ｻﾎﾞ｢ああ、行ってらっしゃい、A。
良い夢を｣
冗談めかしたその言葉がおかしくて、表情には出さないように気を付けてながらも、やっぱり笑ってしまった。
貴｢おやすみなさい｣
遠くなり見えなくなった背中に向けて、そう呟いてみる。
大嫌いだったはずの、その言葉。
こうして笑って言えるのは、総長のおかげ。
｢おやすみ｣って返ってくるのが嬉しくて、｢おはよう｣って言えるのが楽しみで。
だから頑張ろうって思える。
悪魔の力だろうがなんだろうが、利用してやるって気持ちになれる。
大袈裟なくらいに準備された防寒着を身に纏い、私は静かに眠りについた。
〜サボside〜
｢心配？｣どこか笑いを含んだその言葉に、オレは間髪入れずに｢心配に決まってんだろ｣って返す。
ｻﾎﾞ｢…いや、心配っつうか、情けない。
なんでオレ、何も出来ないんだろうって、自分が恨めしくすらある｣
ｺｱﾗ｢うん、…私も｣
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
