[ONE PIECE] ユメうつつ -6- (ページ6)

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No.202 ページ6

貴｢言えばいいんですか？
本当は女ですって、あなたの事が好きですって？

…そんなの言えるわけ…ないじゃないですか……｣

キュッと帽子のツバを握って、情けなく歪む顔を隠す。

貴｢師範代、以前、自分に言いましたよね。
総長に対して抱いた｢怖い｣って思いを、どうしてなのか考えてみてって、そう言いましたよね。

…本当はね、考えるまでもなくわかってたんですよ、どうして怖いのか。
…わかってます。
わかってるから、言えないんです…｣

騙してるくせに、黙ってるくせに、…拒否してるくせに。

どんな想いで、｢好き｣なんて告げればいいの？

言えるわけがない。

言えない、私にその言葉を告げる資格なんて、
どこにもない。

総長ならきっと、怒ったりしないとか。

本当の事を告げても、こっちが拍子抜けするほどあっさり許して、受け入れてくれるだろうとか。

そんなのは、全部自分に都合のいい空想でしかなくて。

実際に総長がどんな感情を抱くのかなんて、そんなの総長以外の誰にもわかるはずがない。

許してくれないかもしれない。

騙していた事を怒って、私を嫌うかもしれない。

…もう、笑いかけてくれなくなるかもしれない。