[ONE PIECE] ユメうつつ -6- (ページ39)

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No.235 ページ39

貴｢この下に大きな空洞があります、おそらくは洞窟になっているかと｣

普段は海に沈んでいて見つけられないけど、引き潮で海の水位が下がる事で入り口が現れる。

そう考えれば、入る船も出る船も見つけられない事に説明はつく。

それに新月なら光源はなく、より一層船の姿は見つけにくくなる。

ｻﾎﾞ｢…A、一つだけ聞きたい。
どうして洞窟があると断言出来るんだ？
地図にはもちろん、誰もその存在を認識していない｣

貴｢総長にお訊きしましたよね、この森に川が流れているかどうか。
森の奥深くであるにも関わらず、水音が聞こえたんです。
スクワル国を海から見た時に、なんとなく潮の流れにも違和感がありました。
だから、もしかしたらって思っただけです｣

根拠とも言えない、ただの勘。

夢で見たわけでもないし、確実な証拠だってもちろんない。

だから、信じてもらえるなんて思ってない。

ｻﾎﾞ｢……なるほどな｣

ｺｱﾗ｢Aの考えが正しいと仮定して、次の新月は二日後だね｣

…あっさりと私の戯れ言とも取れるそれを信用して、真剣に検討してくれる姿を目の当たりにすると、こう…言葉に出来ない気持ちで満たされる。

ｻﾎﾞ｢うーん…、船で島を一周すれば、洞窟を見つける事は可能だろうが…｣

ｺｱﾗ｢警戒は強まるよね、どこで何人が見張っているかわからないし。
あ、ハックが潜るってのは？｣

ﾊｯｸ｢無茶を言うな、コアラ。
どこに見張りがいるかわからないと、自分で言ったばかりではないか｣

呆れたようにそう返す師範に、｢ちょっと言ってみただけだよ｣と師範代は笑って答える。