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No.233 ページ37
こそこそと動く必要はまったくなく、全員が加担している為、罪悪感も薄れる。
危険の類いはほぼない事に加え、それなりの額も手に入るのだから。
そういえば、この辺りの海域って…。
それを思い出した瞬間、言っていた｢約30周期｣に繋がった。
貴｢あの、船が見えた日付けって、正確に何日かわかりますか…？｣
｢そりゃ、ちゃんと記録はとってあるけど…｣
私がこの場にいる事が気に入らない、そう彼の顔は言っている。
この人だけじゃなくて、何人もの人に同じ顔を向けられた。
その雰囲気に怯むも、負けじと言葉を続ける。
貴｢それ、見せてください。
ちょっと気になる事があるんです｣
ｻﾎﾞ｢気になる事？｣
さっきまで少し離れた場所で話しをしていたのに、いつの間にこんな近くにまで来ていたんだろ。
でも、総長が来てくれたおかげで、向けられていた表情はあっさりと、取り繕ったものに変わった。
渋々という態度を上手く隠した彼からファイルを受け取るや否、すぐに目を通す。
その日の天気、船が見えた時間帯が細かく書き込まれている。
日数を確かめると、きっちり30日ごとではなくて、｢約｣とぼかして言っていた意味もわかった。
貴｢やっぱり……｣
私の考えが当たっていた事を確信し、呟いた言葉を、総長は当然聞き逃す事はしなかった。
ｻﾎﾞ｢A、何か気付いたのか？｣
貴｢船を目撃したのは、全部新月の夜です｣
ｻﾎﾞ｢新月…？｣
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年6月6日 19時
