[ONE PIECE] ユメうつつ -6- (ページ26)

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No.222 ページ26

貴｢総長は本当に、ご兄弟の事が大好きですね｣

緩みきったその表情は、普段のクールで頼れる姿しか知らない人が見れば、別人と錯覚してしまうんじゃないかって程。

でも、その表情を見れるのは、なんだか特別な感じがして、私も頬が緩んでしまいそう。

それから総長の部屋に辿り着くまで、総長の弟自慢の話は途切れる事なく続けられた。

恐らく私、そこらの海兵や海賊よりも、麦わらのルフィに詳しくなった自信がある。

まったくもって役には立たない情報ばかりだけど…。

ソファに腰かけて一息ついたあと、総長は本題ともいえる話を切り出した。

｢ドラゴンさんから、Aの意思を確認しておいてほしいって頼まれて｣そう前置きを入れて、総長の表情は真剣なものへと変わる。

ｻﾎﾞ｢スクワル国の任務について、お前はどこまで知ってる？｣

貴｢えっ…と｣

武器を密輸している国から国への中継地点とされているのが、スクワル国にある小さな町、フィルン。

森に囲まれた国の中で唯一、海に隣接している町になる。

どこからか運ばれてきた武器の類いが、そこで降ろされ、別の船に積まれてまたどこかの国へと運ばれる。

そこまでは掴んでいても、肝心の荷が降ろされる現場が未だにわかっていない。

どこかに隠された船着き場と、降ろされた荷物を一旦保管しておく、倉庫のような場所があるはずで、その場所がわかれば、荷がどこから来たのかも、そしてそれがどこへ行くのかもわかる。

すでに数名の兵士が町に潜入し、探っている最中。