[ONE PIECE] ４つのカケラ -2-

No.82 ページ41

意識が戻って真っ先に感じたのは、全身を巡る激痛だった。

その次に、柔らかい布に包まれている感触。






重たいまぶたをゆっくり持ち上げれば、
薄暗い一室に私はいた。



貴｢…？｣




そっと上半身を起こして、
キョロキョロと室内を見渡す。





ガランとした部屋。

物音一つせずに、どこか冷えきっている。






貴｢どこだろ…ここ……｣



そんな些細な呟きでさえ、
静まり返ったここでは異様に響く。







真っ白い包帯が身体の至るところに巻かれていて、なんだか自分の体じゃないみたい。





貴｢………｣


全部…夢ならよかったのに。






ダメだな…。

逃げないって決めたのに、
また目を逸らそうとしちゃってる…。





夢じゃない、現実。



…エースは…死んだんだ……。






貴｢っ…｣


両膝を抱えて、立てた膝に顔を強く押し当てる。






貴｢エース…ッ｣





脳裏にこびりついて離れない。

鼓膜の奥に、エースの声が響いてる。






あの時の繰り返し。

何も出来なくて、目の前からいなくなるのを見るしか出来なかった、あの時の私と…。







貴｢何が…絶対助けるよ…っ｣


自分のバカさ加減に、心底腹が立つ。






ああしてたら。

こうしてれば。



後悔の渦が、ぐるぐるぐるぐる胸の中で渦巻いて、吐き気がして気持ち悪い。







貴｢どうして…っ｣



どうしてエースなのさ。




私があの時、あの場を離れなければ…。

私がエースとルフィの傍にちゃんといれば…。

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