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ディナーの時間。
解放された乗客達は、次々とダイニングへと入っていった。子供たちは、一足早くテーブルについていた。
江戸川くんと哀、そして阿笠博士も続いてテーブルへついたのを見て私も席に着いた。
怪盗キッド、を実際に見てとても不思議な人だと思った。
こんなに近くに感じることが出来る人とは思っていなかった。なんだか黒羽くんみたいな人。
気になって探しに行こうか、そう考えていた時、毛利さんが席を立ったのを見た私は少し抜けると言い、自分も席を立った。
「俺も行く...!」
「私も行くわ!」
江戸川くんと鈴木さん共に。
乗っていたエレベーターの扉が開いた。
「キッド、テメー!」
江戸川くんは顔を赤くして二人のもとへ駆け出した。
「そう、私は探偵ではなく、泥棒。泥棒は盗むのが商売。たとえそれが、人の心でもね…」
「えっ」
怪盗キッドは膝をつき、毛利さんの手の甲にキスを落とした。
懐からワイヤー銃を取り出し、天井の窓に向かって撃った怪盗キッドは駆けてきた江戸川くんに笑って手を振り、そのまま一気に上昇し、ハンググライダーで飛んで行った。
その時、私と目が合った。
一瞬のことだったと思う。けれど、長い時間のようにも思えた。
「キッド様、素敵…!」
「…あんなことされた後で言われてもねぇ」
「えっ?あんなことって?」
「え?えっと...あっ!」
毛利さんは左手をみて驚いた。その薬指にはレディスカイがはめられていた。
「宝石……キッド、返していったのね」
「ねえねえ、キッドに何されたの!?」
江戸川くんは再び毛利さんにたずねる。
「だ、だから!新一がやらないようなことよ!」
「え?なんで?何で新一兄ちゃんならやらないの?どうしてそう思うの??」
「だからそれは…」
江戸川くんの顔を見て顔を赤く染めた毛利さんは
「す、好きだからじゃないわよ!勘違いしないでね!!」
そう言ってそのままエレベーターへと乗りのんでいった。
「ち、ちょっと蘭姉ちゃん!」
江戸川くんが呼び止めたと同時に、エレベーターの扉は閉まり
「(おいおい…何だよ、あんなことって…)」
ただただ、夜の星だけがキラキラと輝いていた。
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「〇戦士の勲章」が抜けていたので、追加しました。
宜しければご覧下さい。
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御坂ナツキ(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» ありがとうございます!とても嬉しくて執筆の励みになります!!頑張ります!! (2019年8月19日 21時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - はじめまして!少し前から読ませていただいている者です。このお話の独特な雰囲気がどストライクです!これからも楽しみに待ってます! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御坂ナツキ | 作成日時:2019年8月14日 21時