* ページ30
デッキに戻り、眠りの小五郎はお酒に酔っ払って違う意味で眠りそうな予感。
Aと隣に座り、食事をみんなでした後。
「お待たせしました、デザートのケーキです」
運ばれてきたケーキを受け取ったとき、Aは少しケーキを運んだウエイターに反応した。
でもそれはほんの一瞬だけで、直ぐに意識はケーキに向いた。
先程何かあったのだろうか、工藤くんの幼馴染の彼女はウエイターをじっと見つめて暗い表情をしていた。
「「「ごちそうさまーっ!」」」
吉田さんたちの元気な声が響いた。
3人は部屋でトランプをすると言い席を立った。
どうせなんか企んでんだろうと、江戸川くんと話しながらケーキを口に運ぶ。
「っくしゅん!!」
「気をつけろよなぁ」
そんなやり取りを横目に、「今日はどうしたのか」とAに声をかける。
その問いにAは、「別に」といつものように返す。そんなAに私は嫌気がさして、じろりと見つめる。
「貴方、そんな言い訳通じるとでも思っているの?そろそろ、聞き飽きたわ」
「...寂しい」
「は...」
「気になるの。今、中森さんは何をしているのか。黒羽くんはなにをしているのか」
「A...」
「いまは、考えるべきではないこと。...ごめんなさい」
はじめてだった。
こんなに感情的になることは、私以外の人間に。
嬉しかった。それと同時に寂しくもなった。
「...別にいいのよ。考えていても。」
「...哀」
「大阪でお土産、買っていってあげればいいんじゃないかしら。何を買おうか、なんて考えていれば、きっとこの空の旅も楽しめるわ」
「......そう、わかった」
やっと、肩の力が抜けてホッとしたAに安心した。
少し時間が経ち、ダイニングにいた私たちにこの飛行船の喫煙室に例のアンプルが撒かれていたことが知らされた。
「間違いないんですか…?」
「悪戯なんじゃ…」
と不安そうにそう呟く彼女たちに、中森警部は本庁に確認したところ間違いないということを告げた。
63人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御坂ナツキ(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» ありがとうございます!とても嬉しくて執筆の励みになります!!頑張ります!! (2019年8月19日 21時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - はじめまして!少し前から読ませていただいている者です。このお話の独特な雰囲気がどストライクです!これからも楽しみに待ってます! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御坂ナツキ | 作成日時:2019年8月14日 21時