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「黒羽くん?」

「急で悪いけど、家まで来て欲しくて」

「哀が、言ってるから。」

「わかった、ありがとう。」


電話を終えたAは、こちらに黒羽くんが来れるということを報告しに来た。
心做しか嬉しそうに見える、顔。

貴女いつからそんな顔で笑うようになったのかしら。


約1時間後、家のチャイムがなった。
博士は席を外してもらったし、Aは筒の中に入って治療に専念してもらっているため、部屋には私しかいなかった。

ガチャリ、とドアを開けるとそこには
変装のつもりなのか
シンプルにおしゃれなのか、
度の入っていない伊達メガネをかけた青年がたっていた。

「…貴方が黒羽くん?」

「うん。そうだよ、もしかして君が哀ちゃん?」

「ええ、そうよ。さ、入って」

「おじゃましまーす」


ソファに案内すると、彼に少し待っていてもらうように伝えてお茶の準備をした。
ティーポットにお茶の葉とお湯を入れて、ティーカップ、お砂糖、ミルク。
そして、お茶菓子には博士が隠していた(らしい)バームクーヘンを二切れそれぞれお皿に盛り付けた。

「待たせてごめんなさい」

「いや、わざわざありがとう。哀ちゃんに準備させちゃってごめんね」

「気にしないで」


それぞれお茶に口をつけたところで、早速本題にはいることにした。

「そうそう、Aのことで話したいことがあるの」

「あぁ、Aに何かあったの?」

「別に、小さい子に接するような喋り方しなくていいのよ。聞いてるんでしょ?私が何をしてAと関わっているのか」


そう言えば少し目を見開いた後、少し考えて顔を上げた。

「…Aに、何かあったのか?」

「簡潔にいえば、今あの子は左手を失っているわ」

「っ!なんで!?」

「確か貴方と会いに行くと出ていった日だったわ。きっと貴方と別れた後だったんでしょうね、例の連続射撃事件に巻き込まれたのよ」

「…そう、だったのか。…それで今Aは?」

「部屋で治療をしているわ。帰りに覗いてあげて。あの子貴方のことをとても気にしていたから。」

そういえば、少し嬉しそうに頷く彼。
どことなく似ている。

胸の謎のつっかえを気のせいにしたくて、甘いバームクーヘンを、1切れ口にほおった。

〇初めての姿→←〇見舞い



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設定タグ:名探偵コナン , 灰原哀 , 黒羽快斗   
作品ジャンル:アニメ
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御坂ナツキ(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» ありがとうございます!とても嬉しくて執筆の励みになります!!頑張ります!! (2019年8月19日 21時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - はじめまして!少し前から読ませていただいている者です。このお話の独特な雰囲気がどストライクです!これからも楽しみに待ってます! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御坂ナツキ | 作成日時:2019年8月14日 21時

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