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ドーナツをあげ終わり、屋上でふと一息ついていた。
車のエンジンの音がして、下を見れば宅配の車が止まっていた。
ケーキが届いたのだと察して、下に降りた。
貰いに行こうと、サイン用のペンと印鑑をもって、外に出た。
外のトラックの人はなんだか、荷台のところで話している様子で。そしたら後ろから白色の車が来てクラクションを鳴らした。
私は荷台のほうにかけよってみると、確か、アムロトオルと荷台に子供たち、そして間には男が二人いた。
「あっ!Aお姉さんも!!助けて〜!!!」
「?なぜそんな所にいるの」
「何だこのガキ!」
「ガキじゃないわ」
「うるせえ!」
小太りの男の人に腕を掴まれ、動けないようにされてしまった私は、ただただ何をしているのか分からず、たっていることしか出来なかった。
「フン、人形みてぇな女…」
「私は人形じゃないわ」
「うっせぇ、黙ってろ!」
コンテナに勢いよく身体を押し付けられてしまった。
いたい。
「そこの兄ちゃんも、殺されたくなかったらコンテナの中に…」
と言いかけた男にアムロトオルは拳を入れて、ノックアウトさせた。
それに屈した私を抑えていた男は私を解放し、大人しく縛られていた。
「でもスゲーなお前…」
「あのレシートの暗号を見て来てくれたんだすよね?」
「レシート?」
「あぁ、…猫の首輪についてた妙なレシートなら、風に飛ばされて見つけられなかったよ。ここを通りかかったのはたまたまさ…」
パチリと目が合った。
そのまま見つめていれば、子供たちが一緒に届いたケーキを食べようと提案した。
アムロトオルは用事があるからと断り、車でその場を去った。
その後私は、ケーキもドーナツも要らないと言って自室に篭もった。
暗い部屋で一人立ちすくんでいた。
「私は、」
「私は人形じゃない」
人形じゃない
人形じゃない
人形じゃない
じゃあ、なんなの?
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御坂ナツキ(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» ありがとうございます!とても嬉しくて執筆の励みになります!!頑張ります!! (2019年8月19日 21時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - はじめまして!少し前から読ませていただいている者です。このお話の独特な雰囲気がどストライクです!これからも楽しみに待ってます! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御坂ナツキ | 作成日時:2019年8月14日 21時