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31話 ページ36




ピンポーーン……

呼び鈴が鳴ったので夕ご飯を中断させ、縁のお父さんが玄関に向かった。
ドサ、という重たいものが床に落ちる音がした。
宅配かなにかだったのかな?

誰かが大きなものを届けてくれたのね…!
と縁と少し顔を見合わせた。

なかなかお父さんが帰ってこないからお母さんが「見てくるわね」と様子を見に行った。

すると悲鳴とともにまたどさり、という重いものが床に落ちる音がした。


こわい

こわい

こわい

心臓がドキドキして
汗がぶわり出てくる

縁と一緒に玄関をこっそり覗く。
見てしまった。
見たく、なかった。
嘘であって欲しかった。

縁のお父さんとお母さんが血まみれで横たわっている。

「父さん!!母さん!!」

「縁!!!」

飛び出していってしまった縁をよびとめる。
待ってよ

なんでいつも私の手を振り払って先に行ってしまうの

縁、待って!


縁が刺された


それはスローモーションに見えて、
鮮やかな血が、
液体がぶわりと縁の体から湧き出して、
またどさり、と重いものが床に落ちる音がして

心臓の音がうるさい

目の前の奴の顔が見えない

黒い

赤い

赤い

赤い

赤い


死ね


「うわあああ!!!!!!!」

私は勝てると思った。
今の私なら無敵だと。
素手でもナイフを持った大人の男の人に勝てると思った。
私は何でもできる。

たとえ人を殺すことでも。
たとえ自分が死んでしまったとしても。


気がついたら男の人が荒い息をして壁にもたれかかっていた。
動くのも大変そうだった。


縁のものに近寄る。
息が、ある。


「縁!!」

「A…?」

「死なないで!!貴方達までいなくなってしまったら私は…!!」

「早…く逃げ…ろ…」

「嫌!!縁まって死なないで!!」

「ポケ…トの…なか…もって…け、さつに…」


そこでハッとして警察に言わないといけない、と縁のポケットの中に入っていた指輪をしっかり持って

「縁!すぐ戻るから!!死なないで!!」

家を飛び出し隣の家のおばさんに電話を借りて警察に通報する。

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御坂ナツキ(プロフ) - 明里香さん» 本当ですね笑 直しておきます!ご指摘ありがとうございました! (2019年7月28日 14時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 8話の「わんやわんや」ではなく、「わやわや」ではありませんか。 (2019年7月28日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
御坂ナツキ(プロフ) - こっちゃむさん» コメントありがとうございます!とてもうれしいです!はい、もう少し続くのでお楽しみください!応援ありがとうございます!! (2018年8月25日 6時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - お話に引き込まれて一気に読ませていただきました!まだ少し続くという事なので、楽しみにしています!応援してます! (2018年8月24日 23時) (レス) id: 7d2c15605b (このIDを非表示/違反報告)
御坂ナツキ(プロフ) - い ち ご ミ ル クさん» とてもうれしいです!ありがとうございます! (2018年8月19日 8時) (レス) id: 7ae93b89fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御坂ナツキ | 作成日時:2018年8月9日 9時

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