このハチャメチャな犯罪都市に敬礼を！３~純黒な悪夢にはおさらばを~ (ページ18)

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この平凡な日常に夕焼けを！ページ18

最近はもうここら辺は慣れたつもりだ
何回かこういう風に零さんと待ち合わせしたりするためにポアロからその場所まで歩くことはあったから

最初は道に迷って半泣きで零さんに電話したりしたこともあったけど

車で通っている時にしっかり見て覚えてどうにかたどり着くようにはなった

時間を見るとまだ3時半
待ち合わせまではあと1時間くらいはある

ポアロで少し暇つぶしてからの方がよかったかな、なんて思いながらもまたしばらく歩いた

途中にある小さな公園に立ち寄ってベンチに座ってあの例のスライム育成アプリを開く
ちなみに3周目だ

前回のふたりは大きくなって無事、蒸発して消えた
(どんなアプリだよ)

今のスライムはまだ始めたばかりだから赤ちゃんスライムだ。すごく可愛い、可愛い…と言っていたら零さんに変な目で見られたのでアイボーで殴った

没頭してスライムを4時をすぎていたので携帯をポケットにしまってベンチから立ち上がった

ふと視線を感じたのでそちらを向くと丁度この公園に入ってくる人だった
目が合ったのでぺこりと少しお辞儀をしてからすれ違うように公園を出た

｢いらっしゃいませー｣

あれから約１時間ほどのんびり歩いて、待ち合わせ場所に近いコンビニにたどり着いた

真っ先にお菓子売り場のところにいき、ぐみを手に取る。もちろん、ぶどうぐみだ

お会計をし、お店から出ると電話がかかってきた
零さんだ

『はい、もしもし』

降｢少し早めについたんだが、いまどこだ？｣

『いつものコンビニでぐみを買っていたんです！すぐ向かいますね！』

降｢あぁ、まってる。｣

電話を切って、ポケットに携帯をしまい、ぐみのはいった小さなビニール袋をしっかり持って待ち合わせ場所まで走った。

たったったった、という音が鳴り響く。
前方に見えてきた白のくるま

『透さん！』

安｢ナツキ！良かった、遅いので心配しましたよ｣

『すみません…』

安｢いいですよ、早く車に乗ってください。帰りましょう｣

助手席のドアを開けて待ってくれている透さんにお礼を言って車の中に乗り込む

透さんも運転席に座り、車が発進する

『…今日のご飯は肉じゃががいいです』

｢…じゃあスーパーによらないといけないですね｣

『寂しかったです』

｢…あぁ｣

『おかえりなさい、零さん』

｢…ただいま、ナツキ｣

ふと顔を上げると窓から入ってくる夕日のオレンジの光がやけに眩しく見えて、少し目頭が熱くなった気がした