このハチャメチャな犯罪都市に敬礼を！３~純黒な悪夢にはおさらばを~ (ページ2)

今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:51,278 hit

この悪夢に始まりを！２ページ2

『空きましたよ』

降｢あぁ…ってよく乾かせって言ってるだろ｣

『わわ』

洗面所まで連れられてわしゃわしゃとタオルで拭き直された。

零さんだって髪の毛からぽたぽた垂らしながら出てくるくせに…と思ったが荒くて優しいタオル使いに頭を預けた。

降｢よし、これでいいな。｣

『ありがとうございます』

丁寧に手ぐしで髪を整えてくれた零さんにお礼を言ってリビングに戻った。

冷蔵庫から牛乳を出してコップに注ぎゴクリゴクリと飲み干す。

ぷはぁ！と親父顔負けのため息を吐いたあと、コップを軽く洗い、シンクの中にことりと置いた。

テレビをつけて適当にバラエティ番組を付けてボケーッと見ているとお風呂から出てきた零さんが冷蔵庫を開けて冷やしていたミネラルウォーターをごくごく飲んでいた。

飲み終わったミネラルウォーターのボトルをゴミ箱に捨てている零さんの髪からはキラキラと部屋の電気を反射している水滴が床やら首筋やらに滴っていた。

私の座っていたソファの隣にドカッとすわり、ふぅと力の抜けるような声を出しながら今日はゲームしてないんだなーと言った零さんに

『零さんだってしっかり拭けてないじゃないですか』

といって肩にかけていたハンドタオルを使ってわしゃわしゃと髪を拭いてあげた。

降｢俺はいいんだよ、すぐ乾くから｣

『私もそこまで長くないから同じですよ』

降｢拭き方へたくそ｣

『へたくそで悪かったですね！』

湿ってはいるがぽたぽた垂れる水滴はなくなったので零さんの顔面にタオルを押し付けて立ち上がった。

『うーーーん、もう寝ますね。なんだか疲れました』

降｢早く寝た方が背も伸びるらしいからな、早く寝ろよ｣

『零さんもしっかり寝てくださいね、おやすみなさい』

降｢おやすみ｣

その日はなぜだか疲れていたのになかなか寝ることが出来なかった。