堀内くんと高橋さんの観察日記 《2冊目》

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話し声はうるさくはないがそこそこ聞こえるオフィス。
紙のこすれる音や、パソコンのキーを押す音、歩く人のヒールや足音が響き渡る。

今日、りくくんは大学があるため来れない日だそうで。
来ない日はAちゃんはカタカタとデスクワークをこなしている。


お昼休み。
社員さんはお昼をとるために抜けたり、自分のデスクで食事をとったりする。

Aちゃんはキリのいいところまで終わらせると書類やらファイルなどを整頓してから携帯電話を持ってオフィスを出た。

廊下のベンチに座ったAちゃんはスマホの画面を操作して電話をかけた。



｢もしもーし｣

『もしもし堀内くん、今大丈夫だった？』

｢うん、お昼の時間だったし大丈夫！笑｣

『そっか』


数分話したあとそれぞれ休憩を取らなくてはならないので電話を切った。
Aちゃんはデスクに戻って持参していたお弁当を開いて食べ始めた。

手作り弁当らしく、淡い水色の2段お弁当箱に卵焼きやプチトマト、アスパラのベーコン巻きなど鮮やかなおかずとご飯を食べていた。


ケータイをすこし操作し、ふっと笑うともくもくとご飯を食べながらパソコンに目を通していた。





りくくんは自販機でジュースを買って飲んでいた。
いつもAちゃんが買って飲んでるオレンジにしよー、なんて思っていつもならあまり買わないであろうオレンジジュースを買ってごくごく。

ピコンとLINEが届いた。



Aちゃんさっきは言えなかったけど電話だから耳元に直に堀内くんの声が聞こえてドキドキしたよ。



｢………反則でしょ…｣





陸嘘だー笑



陸でもAちゃんとの電話楽しいからまたしよ!笑





そうおくったりくくんは満足したのか、スマホをポケットの中に入れた。
もう一口オレンジジュースを飲んで歩き出した。





『……さて、頑張りますか笑』

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