Ｐ．７【 空き缶 】 ページ7
高橋さんは飲んでいたオレンジジュースを飲み干すと｢私もやってみよー｣と言ってその空き缶をえいっと投げた。
するとその間はゴミ箱よりも手前にカランと音を立てて落ちた。
『むむ』
｢あはははは！笑笑 高橋さんどこ投げてんの？笑 ヘッタクソだね〜笑笑｣
『もー！なによ、じゃあ勝負する？』
｢いいよ？べつに笑 負けないしね笑｣
『じゃあ一回ずつ投げて、先に入れた方が勝ちね』
そう言いながら高橋さんは先程投げて外した空き缶を拾って元の位置に戻るとしかめっ面のままゴミ箱を見つめていた。
冷静じゃない？高橋さんは初めてなのでは…？
｢もし高橋さんが勝ったら何でも言う事聞いてあげるよ笑 多分無理だけどね笑笑｣
『言ってくれるね笑 聞いたよ？私が勝ったら何でも言う事聞いてくれるんだよね？』
｢うん、男に二言はない！｣
それを聞くとニヤリと笑った高橋さんはゴミ箱めがけて、えい！と空き缶を投げる。それは見事カランと音を立ててゴミ箱の中に吸い込まれた。
それに社内は再びおぉ、と少し盛り上がる。
『ぷくくく笑 あはは！驚きすぎ！笑笑 この程度で私が外すわけないでしょー笑笑』
ほらほら次は堀内くんだよーと近くの机の人の空き缶を譲ってもらってそれを渡す高橋さん。
堀内くんが外したら私の勝ちだからねーと念を入れる高橋さんはすごくニコニコしていた。
しばらく狙いを定めて、投げようと構えた時
『あ、そうだ』
『もし堀内くんが勝ったら私のファーストキス、あげるよ』
そう高橋さんが言った直後振りかぶったりくくんは見事そちらの発言に気を取られて外してしまった。
ちなみに社内もしぃぃん！と静まり返った。シルクさんはまたミルクティーを吹いていた。
｢うわぁぁぁぁぁ！！！！！｣
『あはははは！笑 私の勝ちだね笑』
｢ずるいでしょー高橋さん！｣
『ずるいって何が？』
｢投げる直前にー！笑｣
『んー？』
もー！と言いながらソファの背もたれにぼべーっともたれ掛かるりくくん。
約束だもんねー…何してもらおうかなーっと上機嫌な高橋さんを隣にして。
『じゃあ…』
ちらりとりくくんのほうをみた高橋さんは少し笑って
『名前で呼んでよ』
といった。
｢それだけでいいの…？｣
『全裸で社内1周がよかった？』
｢いやいや！！笑 名前で呼ばせていただきます！！｣
いつものようにケタケタと笑う高橋さん…Aちゃんはいつもよりなんだか嬉しそうだった。
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りんご - これって、からかい上手の高木さんという漫画を元にしてますか？ (2019年2月17日 8時) (
レス) id: 828cd5c5b1 (このIDを非表示/違反報告)
かえる - 面白かったです！続編楽しみにしてます〜これからも頑張って下さい！ (2018年4月23日 8時) (レス) id: 1e43368747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御坂ナツキ | 作成日時：2018年4月14日 6時
