Ｐ．１５【 特別 】 ページ15
Aちゃんは特別だ。
入社の時は他の人とは違い、3月のはじめ、学生でいう卒業式シーズンの時に入社してきたのだから。
どっちかと言えば貴重な逸材と巡り会えたためのスカウトと本人の意思が一致したため。
思いがけない出会いがあったため。
優秀な成績を収めていたため。
なのでまだ正式に入社式を行っていないため何方かと言えばアルバイト状態である。
本人もまだ仕事になれていないので構わないと言っているし研修期間真っ只中だ。
それでもなお、ほかの社員に妬まれたり恨まれたり…ということがないのは彼女の努力と人柄ゆえだろう。
しっかり時間に余裕を持って出勤し、ギリギリまで頑張って仕事をこなす。プラスアルファーでりくくんとの勉強、打ち合わせ、まとめをしている。
挨拶はきちんと大きな声ではっきりとするし、気遣いも平等にしている。分からないことがあればしっかり先輩や周りの人に聞いてお礼もしっかり言える。たまに差し入れを持ってきてはみんなの机にわざわざ出向いて私に行く。
人並み以上の努力あってこその成果だと自分は思った。
それに加え、りくくんとのやり取りの癒し、ギャップは社員にとってはたまらない。こちとら大人なので分かるがとても微笑ましい光景だと思う。
じれったい気もするがこれもまたこれでいい為この時間がずっと続けばいいのに。と思ってしまう。
｢Aちゃーん｣
『堀内くん、おはよう。少し待っててね』
｢うん。はやくしてねー｣
『連絡してこないといけないから待っててってば笑』
なんでも今日は撮影日らしくてAちゃんは初めて同行するらしい。
撮影場所はりくくんの自宅らしいけど準備やいるものがたくさんで大変らしくて手伝ってもらうらしい。
そう近くの社員さんに少し自慢していたりくくんはなんだかご機嫌だった。
ぴとっ
｢うわっ！？…ってAちゃん！びっくりしたじゃん笑｣
『待っててもらったお礼だよ？笑 はい、どーぞ』
｢ありがとー笑 ねぇはやくいこ！｣
『それでは失礼します。』
とぺこりと丁寧に頭を下げたAちゃんは社員に見送られながらりくくんと一緒にオフィスを出ていった。
まだ見える後ろ姿を見るとからかわれているのか(貴方)ちゃんは笑っていて、りくくんは｢もー笑｣といいながらも笑っていた。
やっぱりきっと、Aちゃんはとくべつだ。
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りんご - これって、からかい上手の高木さんという漫画を元にしてますか？ (2019年2月17日 8時) (
レス) id: 828cd5c5b1 (このIDを非表示/違反報告)
かえる - 面白かったです！続編楽しみにしてます〜これからも頑張って下さい！ (2018年4月23日 8時) (レス) id: 1e43368747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御坂ナツキ | 作成日時：2018年4月14日 6時
