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朝起きるとパパは仕事に行っている
お弁当を作り化粧をして
ママが付けてたピアスを右耳にする
誰もいない家に行ってきますと告げるのが日課
考えるのも無駄だと思い私は学校と反対方向に足を進めた
人の優しさがしんどい時、強く言っちゃいそうだから
会わないほうが良いと思う
少し歩いてると前から知ってる声が聞こえる
「A?」
貴「あ、尚大!この辺なんだ!」
織山「どこ行こうとしてたの」
貴「あ…学校?」
逆向きだよ、と鋭いツッコミが入る
貴「散歩?」
俺も行く、なんかあったんでしょ
私の心を見透かしたかのように
尚大は私の右手首を掴みずんずんと進んで行く
__
貴「海だ!!!!」
尚大に連れてこられたのは海
織山「嫌なことあったらここに来る
全部忘れることはできないけど、落ち着くから」
貴「尚大って優しいね」
別に優しく無いから
不器用だけど優しい声でそう伝えてくれる
貴「私、ママいないから
黒ちゃんたちといると
毎日明るくて楽しくて全部が暖かくて大好き
……けど、少し寂しくなる
友だちにこんな感情抱いたの初めてで
どうしたら良いか分かんない……」
織山「ママのいない寂しさは埋まらないよ
Aにとってママは1人だけでしょ
でも友だちも代わりなんていないよ
俺にとってもAの代わりはいない」
貴「尚大…」
織山「あ、ごめん!泣き止んで…」
ママのお葬式以来だと思う
人前で涙が流れてきたのは
私の涙を優しく拭ってくれるから
貴「ありがと、尚大」
織山「しれっと尚大って言うな」
貴「尚大ってツンデレだよね?」
楽しくて尚大の頬を両手で挟む
織山「お前、ほんとうざい!」
貴「学校までどうやって行く?
片足けんけんかグリコか」
良い、普通に行く!と断られてしまった
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ナツ.(プロフ) - めろたんさん» 新作も読んで頂き本当にありがとうございます😭💖どうか、最後までお付き合いください!! (9月7日 14時) (レス) id: 60d717d776 (このIDを非表示/違反報告)
めろたん(プロフ) - 新作嬉しいです♡きゅんきゅんいっぱいで読んでいます!!更新も楽しみに待っています♡ (9月6日 22時) (レス) @page11 id: 1205a2287e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツ. | 作成日時:2023年9月5日 2時