4角片想い Sano Reo

やめて ページ35

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ガチャ




『…おはようございます。』







大丈夫、言うことは決めてきたから。




ちゃんと許して、今まで通り察するんだ。

亜嵐くんの彼女として。





佐野「Aっ、」

『玲於くん、お話ししよっか。』

佐野「え、…いいの？」

『うん。』





玲於くん越しに亜嵐くんと目が合う。




少し心配そうに笑う彼を、安心させたくて、

ニッコリと微笑みかける。



瞳が揺れて、でも、それを隠すように、笑い返してくれる。





大丈夫だよ、私はあなたから離れない。






楽屋から出て、屋上に出る。




佐野「A、…本当にごめん。」



そう言って頭を下げる玲於くん。






『いいよ、あの状況だったら、勘違いもあるだろうし。
こちらこそごめん、無視しちゃって。』



佐野「あと、もう一つ、言いたいことがあって、

『私もあるんだ、玲於くん。』

佐野「え、？」




『私、亜嵐くんと付き合ってるの。』

佐野「…は？」





呆然と立ち尽くす玲於くん。

そりゃそうだよね、何にも言ってないから。





『応援し、




佐野「できない。
俺、好きだから、お前のこと。」




……っ、


なんで、いまさら。




なんで、私の心を惑わせるの。





『ごめん、なさい…。』




おもわず、その場から逃げ出した。






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