Episode 16 ページ18
「飲まねえぞ、そんな変な物！！
外でローと格闘する。
体格差がさほど無いだけにお互い生傷を作りあって。
一週間程自室に籠もって、ひたすら実験を繰り返して。
ようやく成功の兆しが見えたというのに。
「珀鉛病の治療薬第1号だって言ってるじゃない！
一旦飲んで、データを取らせて欲しいだけよ！」
やっぱり、この少年は嫌いだ。
まわりではバッファローとベビー5が囃し立てていた。
その後ろで不安そうにちらちら様子を伺ってくるコラソン。
……燃えてますけど。
暫く無言で取っ組み合いが行われた後、ついうっかり口走ってしまった言葉。
「ねえ、貴方はトラファルガー先生の近くに居たんでしょう？
最期の最後まで闘い続けたあの人を、ずっと見てきたんでしょう！？」
ぴくり、
もつれていた足の動きを止め、ローが驚愕した表情でAを見上げた。
何故お前がそれを知っている、とでも言いたげな目をして。
「今でも覚えてるわ、
彼はずっと貴方とラミちゃん、フレバンス全員の身を案じて____
電伝虫ごしに、最期の言葉を聞いたの！！
嗚呼、何で私はいつも
大切な人さえ助けることができないの、って
酷く自分を無力に感じたわ。
彼の遺志、私は継いだから……
ねぇ、その続きだと思って___」
今まで、彼女がこれ程悲痛な叫びを彼らの前で上げたことがあっただろうか。
否、その場にいた全員が行動を止めた。
「貴方がいる限り、フレバンスは滅びない！！」
ローは、先程とは比にならないほどしっかりと彼女の目を見た。
そこに浮かぶのは、涙と辛い過去の記憶。
普段、ポーカーフェイスを決め込んでいるこの女が、初めて泣いた。
コラソンを刺した、このおれのために。
とどまることを知らない、彼女の大粒の涙がローの頬を湿らす。
いつもと違って年相応に感情を見せるA。
最初の印象とは全くの別物。
もはや彼は、彼女に抵抗したいという気力さえ失っていた。
目の前の女の涙に比例するように
ポツリ、ポツリ
気づけば辺りは暗くなり、空から雨粒が降り注いでいた。
ベビー5とバッファローの2人が避難していく中、ローは口を開いた。
「________飲む」
Aの表情が変わらぬうちに、ローは試験管の中身を喉の奥へと流し込んだ。
酷い味だ。
空模様は、複雑な彼の想いと比例するようにさらに涙を流すのであった。
ラッキーアイテム
殺してやるわよ、いつかね
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なつか(プロフ) - 銀之助さん» あああ、まじですか！！めちゃ嬉しいです！やはり同じキャラが好きだと見ている作品、作っている作品も同系統のものになりますね(笑)最新話、相変わらず鼻血ものでした(・ω・)b(更新停止状態ですが)お互い頑張りましょう！ (2016年2月28日 4時) (
レス) id: 8225be2801 (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - なつかさんってどこかで聞いたと思って、お気に入り見直したら私お気に入り登録してました(笑) 自分の好きな小説を書かれてる方にお気に入り登録して頂けて感無量です！！凄く好きな雰囲気のお話しだと思ってました！！また、お話を書かれるのを楽しみにしております。 (2016年2月25日 20時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
るあ(プロフ) - るあ(爆)と名前の所に打ったせいで爆笑してしまった私((急 (2015年11月30日 18時) (レス) id: 8380f20d9f (このIDを非表示/違反報告)
なつか(プロフ) - さらみさん» ありがとうございます！！続編とは言いながら、2、3話更新していますが、まあ大目に見てやってください( ´ ▽ ` )ﾉ笑 (2015年10月10日 9時) (レス) id: 8225be2801 (このIDを非表示/違反報告)
さらみ(プロフ) - とても面白いです！続編楽しみにしてます！話の内容がごちゃごちゃ....というより、奥が深い、というべきだと思いました！w文章角のお上手で羨ましい限りです(ﾉ∀`)陰ながら応援しています！ (2015年10月9日 23時) (レス) id: c4dac701ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつか | 作成日時：2015年9月21日 18時
