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「今日はありがとうね。一緒にお祭り行ってくれて」
「こちらこそ。ていうか、行きたいって言ったの俺だし」
「もともとは私のお礼だったから。それに、楽しかった」
カランコロン。夜の住宅街に下駄の音が鳴る。
神社を出て、人通りが少なくなっても風磨くんは手を離さなくて、私はそれに対して何にも言わなくて、手を繋いだまま家への道を辿っていた。左手を中心に身体が熱い。夏の夜の生ぬるい風じゃ全然冷やしてくれない。
「俺も、楽しかった」
「ほんと？ 良かった。こじんまりしたお祭りで申し訳なかったけど」
「えー、俺あの雰囲気好きだけどな」
「私も好きだよ。小っちゃい時から行ってるし」
あはは、と笑って隣を見上げれば、優しく微笑む風磨くんと目があった。
夜、２人で浴衣を着て夏祭りに出かけた帰り道。いつもと違う、柔らかい空気がお互いを包んでいて、なんだかそわそわと落ち着かない。
カラン、コロン。
会話が途切れて、夜道に下駄の音だけが響いた。無言の空間も嫌じゃなくて、ゆっくりと２人で歩いていく。
「俺さぁ、転校するの嫌だったんだよね」
「……うん」
「高校で転校するとかあんまないしさ。せっかく慣れてきたのに、全部０からって嫌じゃん。最悪って思ってた」
初日に教室で挨拶をした時の風磨くんを思い出す。サラサラの髪に、気怠げな表情。近寄り難いと思ったけれど、きっと風磨くんも似たような気持ちだったのだ。
「でも、隣の席の女の子がめちゃくちゃビビりながら教科書見せてくれてさ。話してみたら結構面白くて、そのせいで先生に怒られたりして、そんなことが楽しかった。
放課後も一緒にラーメン食いに行ってくれるし、テスト勉強も一緒にしたりして、転校したこと、悪く無かったなぁって思った」
カラン。足が止まる。
気付けば私の家の玄関まで辿り着いていた。
風磨くんと繋いだままの左手。相変わらずサラサラの前髪から覗く、少し熱っぽい視線から目が逸せなくて、息も上手く吸えないままじっと見つめ返していた。
「俺、Aが好きだよ。隣の席がAだったから、毎日楽しいなって思えたんだ」
ひゅっ、と息が止まる。身を固くした私に、風磨くんが私の両手を胸の前まで持ち上げてすっぽりと大きな手で包んだ。身体中が熱くて溶けてしまいそうだと思った。
「好きって言っておきたかっただけだから、返事はいらない。けど、そのつもりでいて」
……Which do you choose?
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ハル(プロフ) - ハッピースクールさん» ハッピースクールさん！こちらも来て頂いてありがとうございます(^^)頑張ります！どうぞよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 名無し96398号さん» コメントありがとうございます！全部読んで下さったんですか！？ありがたや…！無理しない程度に頑張ります！のんびりお付き合いくださいね(*^^*) (2021年8月22日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - ハルさんのお話大好きで、新作楽しみにしてました。頑張ってください (2021年8月22日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
名無し96398号(プロフ) - 勝利くん担でハルさんのお話全て読ませていただいています！今回もものすごく楽しみです、、！無理しない程度に頑張ってください！！ (2021年8月21日 23時) (レス) id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
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