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「勝利は幼馴染なの。皆には黙ってるんだけど」
「へー、幼馴染。なんで黙ってんの？ めちゃくちゃ自慢出来るじゃん」
「めちゃくちゃ自慢出来るから駄目なんですよ……」
席に座ると、風磨くんがガタガタと椅子を引きずって通路を埋めた。頬ずえをついた彼は「へぇ」と楽しそうににやりと笑う。
「勝利が幼馴染なんて知られたら平穏な高校生活が遠のいてしまうでしょ」
「そーか？」
「そうだよ！ 中学の時やばかったんだからね」
「ふーん。けど同じ学校受けたんだね」
風磨くんはにやにやした顔を崩さないままそう言う。確かに、中学で苦労したなら進路を変えるのが普通だと思う。違う学校ならコソコソしなくて済むし。けれど、勝利と同じ学校で心強いのも確かだったというか。
「幼馴染ってバレなければ良いだけだから。忘れ物したら助けてもらえるし、学校の話題が通じるから話しやすいし、これで良かったと思うよ」
「そういうもん？」
「そういうもん。バレたのが風磨くんだったのは不幸中の幸いだよ。お願いだから誰にも言わないでね」
「どうしよっかな。樹に言っちゃうかも」
「だめだめだめ」
キョロキョロとわざとらしく教室を見渡し始めた風磨くんを慌てて止める。田中くんの口が軽いかは分からないけど、もうこれ以上広めたくない。
風磨くんは焦る私を見てふは、と笑うと宥めるような声で「嘘だよ」と言った。
「俺もAが目付けられるのは嫌だし。……で、なんでのど飴？」
「え？ あぁ、ちょっと風邪気味ってバレちゃって。心配性だから勝利」
「へぇ。風邪ひいてんの？」
「んー、ちょっと喉が気持ち悪いくらい。全然元気だよ」
「風邪のひきはじめじゃん。傘差さずに帰ろうとするから」
「仰る通りで……」
今度は呆れた表情になった風磨くんに、そろそろと頭を下げる。本当にその通りです。すみません。
「だから体育嫌なんか。今日見学にしといたら？」
「嫌だよ、補習になるもん。レポートもめんどくさいし」
「んー、まぁ悪化しなければ良いけど」
「大丈夫大丈夫」
へらりと笑って手を振ったところでチャイムが鳴った。珍しく、ピッタリの時間に教室に入ってきた二宮先生を見て、風磨くんはガタガタと音を鳴らしながら通路の向こうの席へ戻って行く。
微かに感じる喉の違和感。喋りすぎたせいか、少し痛みが強くなっている気がする。……まぁ、のど飴で誤魔化せば今日一日は我慢出来るだろう。
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ハル(プロフ) - ハッピースクールさん» ハッピースクールさん！こちらも来て頂いてありがとうございます(^^)頑張ります！どうぞよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 名無し96398号さん» コメントありがとうございます！全部読んで下さったんですか！？ありがたや…！無理しない程度に頑張ります！のんびりお付き合いくださいね(*^^*) (2021年8月22日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - ハルさんのお話大好きで、新作楽しみにしてました。頑張ってください (2021年8月22日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
名無し96398号(プロフ) - 勝利くん担でハルさんのお話全て読ませていただいています！今回もものすごく楽しみです、、！無理しない程度に頑張ってください！！ (2021年8月21日 23時) (レス) id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
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