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看板に大きく書かれた文字を風磨くんが読む。近くにある神社で開かれるお祭りは、小さい頃から勝利と訪れているものだ。
「毎年神社でやってるんだ。そんなに大きくないけど」
「へー！ 楽しそうじゃん」
いいなー。羨ましそうに呟いた風磨くんに思わず笑う。夏祭りなんてどこでもやってるだろうに。
スタスタと看板の前へ歩いて行った風磨くんは、「8月10日……夏休みじゃん」と更に目を輝かせた。
「お礼、決めた」
「え？」
「夏祭り行こう。一緒に」
驚いて隣を見ると、ぱちりと風磨くんと目があった。真剣な表情に、その言葉の意味を深く考える前にこくりとゆっくり頷いてしまう。
「やった。約束ね」
「うん、約束……」
「じゃあテスト頑張らないとなー。赤点取って補習とか嫌だし」
うえ、とわざとらしく舌を出した風磨くんは、「んじゃ帰るか」となんでもなさそうに看板に背を向けた。慌ててその背中を追いかけて家への道を歩き出す。風磨くんの話に相槌を打ちながらも、考えるのは夏祭りのことばかりだった。
・
玄関まで送り届けてくれた風磨くんは「じゃあまた明日ね」とさらりと手を振って帰っていった。たった一言で私をパニックにさせておいて、普段通りな風磨くんがずるいと思った。私が勝手に混乱しているだけなのに。
風磨くんはどういうつもりで私を夏祭りに誘ってくれたのだろうか。地元のお祭りよりも大きくて派手なお祭りなんて学校の近くにもあるし、電車で少し遠くへ行けば花火大会だってある。わざわざ遠くの小さなお祭りなんて選ばなくてもいいのに。
私を誘ってくれたのだって、よく分からない。たまたま誘われて行った寄り道がずっと続いていて、その延長線なのだろうけど、今やクラスの中心メンバーのようになっている風磨くんが未だに私を誘ってくれるのも不思議だった。
風磨くんと話すのは楽しい。揶揄われたりするけど、話してるといつも笑ってる。だから、風磨くんの隣の席になれて良かったと思うし、毎週のように放課後遊びに行くのもいつの間にか楽しみになっていた。
夏祭りも、いつもの寄り道と変わらない意味なのか、それとも。
自分のなかでも風磨くんへの気持ちに名前は付けられないままなのに、けれどほんの少し、何かを期待してしまうのだった。
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ハル(プロフ) - ハッピースクールさん» ハッピースクールさん！こちらも来て頂いてありがとうございます(^^)頑張ります！どうぞよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 名無し96398号さん» コメントありがとうございます！全部読んで下さったんですか！？ありがたや…！無理しない程度に頑張ります！のんびりお付き合いくださいね(*^^*) (2021年8月22日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - ハルさんのお話大好きで、新作楽しみにしてました。頑張ってください (2021年8月22日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
名無し96398号(プロフ) - 勝利くん担でハルさんのお話全て読ませていただいています！今回もものすごく楽しみです、、！無理しない程度に頑張ってください！！ (2021年8月21日 23時) (レス) id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
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