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私と勝利の最寄り駅は結構先で、大体の生徒がその手前で降りて行く。引っ越してきた菊池くんも例外ではなく、あと２駅で降りるようだった。
「ごめん、遊びすぎたね」
菊池くんが申し訳なさそうにそう言う。確かにいつもより少し遅くなってしまったけれど、凪沙と遊んだ帰りはこんな時間になることだってあって、そんなに気にすることじゃない。
「ううん、全然。ラーメン美味しかったし、ゲーセンも楽しかったし」
「そっか」
背の高い菊池くんを見上げてへらりと笑うと、彼も安心したようにふわりと口元を緩めた。菊池くんって、笑うと途端に雰囲気が柔らかくなる。
「……葉月さん」
「はい？」
「Aって呼んでもいい？」
なぞるように名前を呼ばれる。見上げると、優しく微笑む菊池くんがこちらを見つめていた。
「良いけど……」
「まじ？ やった。俺のことも風磨って呼んでよ」
思いがけない提案にポカンとその顔を見つめ返してしまう。彼はそんな私の困惑なんて気付いていないのか「あ、あと一駅じゃん」と頭上の掲示板に視線を移した。
「風磨、」
「お」
「……くん」
「ふは。まぁいっか」
呼びすてはハードルが高くて、結局付けてしまった「くん」に菊池くんがまた楽しそうに笑う。……いや、違う。風磨くん。呼び方が変わるだけで、距離がいっそう近くなった気がした。
あっという間に着いてしまった風磨くんの最寄り駅。少しだけ、名残惜しいな、と思ってしまう。
「じゃあまた明日。バイバイA」
「うん、また明日。バイバイ」
ひらりと手を振った風磨くんはそのまま電車を降りて行く。車窓の向こうの風磨くんの髪が風に吹かれてさらりと揺れた。
・
「……A、起きて」
耳に馴染んだ声と、ポン、と肩を叩かれる感触。
顔をあげるといつの間に隣に座っていたのか、勝利がこちらを覗き込んでいた。
「あれ、勝利……？」
「もう着くよ」
勝利の声に被せるように、列車の到着を告げるアナウンスが流れる。風磨くんが降りてから空いている座席に座って、そこから眠ってしまっていたらしい。単語テストの勉強をしようと思っていたのに勿体ないことをしてしまった。
重そうな荷物を持って電車を降りる勝利の後を追う。部活終わりの勝利と一緒に帰るのは少し新鮮だった。
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ハル(プロフ) - ハッピースクールさん» ハッピースクールさん！こちらも来て頂いてありがとうございます(^^)頑張ります！どうぞよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 名無し96398号さん» コメントありがとうございます！全部読んで下さったんですか！？ありがたや…！無理しない程度に頑張ります！のんびりお付き合いくださいね(*^^*) (2021年8月22日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - ハルさんのお話大好きで、新作楽しみにしてました。頑張ってください (2021年8月22日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
名無し96398号(プロフ) - 勝利くん担でハルさんのお話全て読ませていただいています！今回もものすごく楽しみです、、！無理しない程度に頑張ってください！！ (2021年8月21日 23時) (レス) id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
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