21話 ページ21
智「きったねぇ...」
苦笑いの大野くんと二人で部屋の掃除をする。
まるでさっきのことなんか何にもなかったみたいに。
『お店もう終わったの？』
智「終わったよ。店の片付けやってたらこの部屋片付けろって、追い出された。」
『そうだったんだ。なんか、ごめんね』
智「なんで謝んの(笑)どーせここにあるのほぼ俺のだし。」
ふと、壁に立て掛けてある大きくて立派な額縁に収められた絵に目が止まる。
もっとよく見たくて、床に散らばっている小物達を踏まないよう慎重に歩いて向かう。
『これも？』
智「ん。」
『...高そう』
智「んふふ。それね、俺が描いたの」
『え？！』
まじか。まじなのか。
『...うますぎ。』
絵から目を離せずに呟くと、大野くんは自慢げに、でもちょっと照れくさそうに鼻をくしゅくしゅってかいた。
この絵は多分、この窓から見た景色を描いたものだ。
今2人で見ていた景色がすっぽり収まっている。
智「上手くいったんだよね。これ俺が1番好きな場所 」
チラッと大野くんを見ると、この絵を見つめながら、俺だけが知ってるの、と呟いた。
『だけ？』
智「だけ。」
大野くんが言うには、この部屋のこの窓からみるこの景色が1番好きらしくて。
どうやら海が1番綺麗に見えるらしい。
上手に絵を描く人ってどこか自分だけの感性を持ってる気がする。
私には正直翔くんの部屋から見た景色と変わらない気がするけど。
きっと大野くんにはこの海が違って見えているんだろうな。
智「2人だけの秘密ね」
『うん、わかった』
何年も一緒にいるであろう他の皆にも隠していた、大野くんにとって大切な場所を私に共有してくれることに甘酸っぱい喜びを感じた。
続く (更新停止中)
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ひまわり(プロフ) - あやちむさん» 更新遅くて申し訳ないです。コメントありがとうございます！ (2021年3月14日 1時) (
レス) id: c795cb1005 (このIDを非表示/違反報告)
あやちむ(プロフ) - 読んでいてなんだか想像が出来てほっこりした気持ちになりながら読んでます。続き楽しみにしてるので頑張ってください。 (2021年3月6日 0時) (レス) id: d90199fb5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり | 作成日時：2021年2月14日 23時
