3話 ページ3
『…ﾊｧ…あ、あの、なにか？』
あまりにも遠いので少し小走りで向かうと、バイクの横にしゃがみこんでいた声の主が立ち上がった。
額には汗がにじんでる。
「ごめんね急に！！あのね、実はさ〜、このバイク前から故障気味で乗ってたんだけど、今乗ってたら本格的に壊れちゃったみたいでうまく走らないんだよね。もし携帯持ってたら貸してほしいんだ。」
なるほど。それでしゃがんでバイク見てたのか。
『どうぞ！使ってください』
そう言ってバックからスマホを取り出すと、
ほんっっとにごめんね！！助かる！！なんて言いながらキラキラした笑顔を向けてスマホを受け取った。
『…夏男…？』
思わず口に出た言葉。聞こえなかったようで彼は額の汗を拭きながら番号を入力している。
片手でヘルメットの紐を外しながらもう片方の手でスマホを耳に当てた。
「ごめんね！できるだけ頑張るから、待ってて！うん、うん……はぁーい。じゃあね！！」
謝って謝って、電話を切った彼。
どうやらなんか待ち合わせとかだったのかな。
遅れることを謝ってた様子。
「はい！ありがとね！！」
『いえいえ。……あ、』
そう言えば私、海を探してて、なくて引き返そうとしてたんだ。
でも、聞いてみるだけ聞いてみて、近ければ行こう。遠ければこのまま帰ろう。
「ん？どうかした？」
『あのっ、この街から海、見えますか、？』
そういうと、
なぜかこのハニカミイケメンの目が輝き出した。
「海、みえるよ！！俺案内してあげようか！？すぐだよ。ついてきて！！」
『あ、はい！』
凄い、海ってワードにこんなに反応するんだ(笑)
よいしょ、と端に立てかけていたバイクをおこした彼は
「悪いんだけどさ〜、これあるから歩くの遅くなっちゃうけどいい？」
とバイクのハンドルを見ながら言った。
『全然大丈夫です!!』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまわり(プロフ) - あやちむさん» 更新遅くて申し訳ないです。コメントありがとうございます！ (2021年3月14日 1時) (
レス) id: c795cb1005 (このIDを非表示/違反報告)
あやちむ(プロフ) - 読んでいてなんだか想像が出来てほっこりした気持ちになりながら読んでます。続き楽しみにしてるので頑張ってください。 (2021年3月6日 0時) (レス) id: d90199fb5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまわり | 作成日時：2021年2月14日 23時
