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｢ちゅーしちゃおっか｣
夏真っ盛りの日。
名前を呼ばれて顔を上げたら、目の前に座る時透くんが突然そう言った。
｢ちゅ、ちゅーっ？｣
あまりの突然さにがくんと口が開く。
ラインの通知でケータイの画面が光り、はっと我に戻った。
夜の7時という時間のせいもあってか、この図書館にはほとんど人はおらず
｢.......ふふっ｣
私の叫んだ声と、彼の笑い声が響く。
いや、単にびっくりしたのと時透くんがそんなこと言ったので倍驚きだよ.......
｢いきなり、何言って.......？｣
第一、時透くんにはかわいいかわいいカノぴっぴがいるんじゃ.....
｢.......冗談だよ。今流行りのドッキリ｣
なんだ、ドッキリか.....
｢ドッキリかぁ。私最近のものに疎いからな....｣
"びっくりした？"なんて分かりきったことを聞かれたから大きく首を振った。
あぁ、多分顔赤いだろうな.....
そう思っていたら、
"顔、真っ赤だね"と気にしてたことを指摘され、頬がもっと赤くなるのを感じる。
｢もう、びっくりしたよ.......いろんな意味で。
時透くんって意外と面白いんだね｣
｢え。どういう意味？笑｣
｢いや、今まではなんかもっとクールかと思ってたから｣
｢ふっ。僕達高校から一緒なのにお互いなんにも知らないね｣
そうなのだ。
実は彼とは高校から一緒の仲だったりする。
まぁ1回も同じクラスなったことないし、インスタでフォローし合ってた程度の仲なんだけどね。
｢確かに。笑
でもペア課題のペアが時透くんで良かった｣
ほんとに。ほんの少しだけどやっぱ安心するよね
くじ引きでめっちゃ焦ってたけど運があってよかった！
｢....俺も。あ、堅苦しいし、名前でいいよ｣
｢え？｣
｢あ、ごめん。呼び方のこと｣
｢え？｣
私はまた反射的に聞き返してしまった
名前ね！名前でって事だよね！
｢じゃあ、無一郎くん？｣
｢え、名前知ってるの？｣
｢うん。高校のとき、無一郎くんかっこよくて優しいとかで有名だったんだよ？｣
本人は知らないだろうけど。
｢そうなの.....｣
その本人は今、事実を知って顔を赤らめている。
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八重霞＿Mui - すごく面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2020年8月15日 21時) (
レス) id: 090d65a74c (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 神作！！ 更新応援してます！ (2020年8月10日 21時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2020年8月10日 11時
